社会
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株式市場では日経平均株価が連日、史上最高値を更新する活況だ。過去の最高値更新時は日本経済の好調という裏付けもあり、わかりやすかったが、難題を多く抱える今の日本にそんな勢いがあるとはとても思えない。株価上昇が至上課題のような証券業界や年金資金を大量に株式運用につぎ込んでいる日本政府にとっては大歓迎だろうが、一般投資家は今後の相場に不安も多いはずだ。
個々の株価を見ても、年初来高値や史上最高値を付ける銘柄が続出している。決算発表で業績好調が裏付けられた会社や、時流に乗って成長が期待できる会社なら納得できる。しかし、「どうしてこの会社が新高値?」というような例が少なくない。
そんな銘柄には共通点がある。株式取引には、現物の株式の売買だけでなく、信用取引という手法がある。証券会社経由で資金や株式を調達し、それによって株式を買ったり(信用買い)、売ったり(カラ売り)するのだ。信用取引による買いの残高より売りの残高が多い銘柄に高値を付けている例が多いのは事実だ。
売り残高のほうが多いというのは、その銘柄の株価が上がるより下がると予想する人のほうが多いということだ。カラ売りでは株価が下がれば利益が出る仕組みだが、通常6か月の期限内に買い戻して決済しなければならない。これが買い予備軍となり、株価に影響する。値下がりしそうな銘柄にカラ売りが集まり、それが逆に株価を押し上げてしまうのは信用取引ではよくあることだ。株価独得のパラドックスと言えよう。
でも、こうした値上がり銘柄は、買い戻しが一巡してしまえば、今度は買い方が逆の立場になる。そこをカラ売りすれば成功率は高いはずだ。とはいえ、その辺を見極めるのは難しく、経験と勇気が必要なのは言うまでもない。
山田洋
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