社会
特に埼玉県、さいたま市の政治、経済などはじめ社会全般の出来事を迅速かつ分かりやすく提供。
今年も残りわずかとなり、株式市場は年末相場を期待したいところだろうが、国内外に不安要因が多く、株価の乱高下が続いている。日経平均株価は40,000円に乗せても持続せず、個々の銘柄も値上がりしてはすぐ下がる。多くの投資家がインターネット取引を利用するよいうになり、売買手数料の負担が軽減し、短期売買しやすくなったことも一因だろう。
上下動が大きい相場では、「買い」だけでなく、信用取引の「カラ売り」を取り入れるのが得策かもしれない。カラ売りは株を売ることからスタートする手法で、売る株は証券会社から借りる形になる。株価が下がったら買い戻して、その差額が利益になる。信用取引では通常6か月の期限があり、「買い」では現金で株を引き取ることができるが、「売り」では否応なしに買戻しによる決済を求められる。
株価が何倍にもなる可能性もあり得るので危険な投資と見られがちだ。証券会社にもカラ売りが得意な人はごく少数。株価値上がりだけが歓迎されるこの業界では、カラ売り派は主流になれないという事情もあるようだ。
だが、派手に値上がりするのは大量の買いがその銘柄に集中するからで、往々にしてオーバーランする。たいした材料でもないのに分不相応に上がることもよくある。買った人は利益を確保するためにいずれは売却する。その辺のタイミングを見てカラ売りすると成功する確率が高まる。信用取引で買った人のほとんどは6か月以内に売らざるを得ないのだ。
問題はカラ売りする銘柄選びだ。投資情報誌でも「下がる株」特集は掲載しないから自分で探すしかない。各ネット証券では毎日の株価上昇・下落のランキングを掲示しているから、東証プライム(カラ売り可能な銘柄のほとんどがここに入っている)での上昇率上位のものを拾い出し、株価分析をする。それが難しい人には、各銘柄に割高・妥当・割安の評価をしているネット証券もある。
気を付けなければならないのは信用取引の買いと売りの残高比率だ。売り残高のほうが多いと、売り方の買い戻しが待機しているので値下がりしにくい。また、上げ過ぎと思える銘柄には何らかの事情や思惑が絡んでいる場合がある。たとえば、その企業の買収話があるとか、業績が急上昇しているとか。
その辺の情報は丹念に調べてリスクを避け、後は度胸千両で行くしかない。
山田洋
バックナンバー
新着ニュース
特別企画PR