社会
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マンション住まいが20年以上になるのに一度も管理組合の役員(理事)になったことがない。理事は抽選で決まり、毎回ハズレくじを引いてきたからだ。自ら理事候補に名乗り出ることもできるが、そこまでの関心や熱意はなく、人任せをよしとしてしまう。
私のような人は多いようで、理事のなり手不足はどこのマンションでも共通の課題になっている。その結果、組合トップにふさわしくない人物の横行を許し、トラブルを招いた例も少なくない。私の知る実例を2つ紹介したい。
埼玉県南部の築後50年超のマンションでは大規模修繕が相次いだ。鉄筋コンクリートの建物自体はまだ数十年は持つと見られているが、給・排水管など付帯設備は一定年数で交換しなければならない。
ここの管理組合の前理事長は長らくその座にあって、補修工事を検討する会議の責任者でもあった。その人が補修工事のコンサルタント組織のスタッフになり、報酬を受け取っていたことが発覚した。コンサルタントのホームページにその事実を示す記述があったのだ。この理事長に疑念を抱いた理事もいたようだが、正面切って異を唱えることがなかったことが、不正を見逃す結果を招いた。
やはり県南部にある築後50年近い大規模マンションでも、年配の管理組合理事長が長く居座り、彼の取り巻きが加わった組合運営が続いた。ここでも大規模修繕が繰り返された。そこにマンション建て替え推進派の人が登場し、理事長に選任された。建て替えの検討委員会設置も承認され、大手デベロッパーと組んだ事業計画が進められた。
そこから旧理事長派の猛反撃が始まった。組合総会では、かつての総会屋もどきの議事運営で建て替え計画を無効にしてしまった。論点ずらしと強引なこじつけを駆使する元理事長が返り咲き、建て替えという意見を根絶やしにすることに執心した。
総会での言論封殺のすさまじさを目撃した組合員たちは理事長派への反論すら出しにくくなった。その後、理事長は交替したが、直近の理事改選では件の元理事長がまた立候補していた。管理組合での勢力維持にこれほどこだわるのは、何か深いわけがありそうだ。
山本洋二
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