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新着記事
- 梅雨とカウンター(2013年06月25日)
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3年ぶりに行った寿司屋は創業50年目だ。 私は久しぶりのカウンターに座って隣りの老紳士の話を聞くともなく、左耳で聞いていた。もとマスコミ関係の仕事でかなり辣腕をふるっていた人らしい。こういう人はきまって地位のある他者を呼び捨てにするのが常だ。そうすることによって自分を少しでも高く見せては人知れぬ快感に浸っているのだ。つまらない人達だ。 私はひとり、…
- 月と雷門(2013年06月01日)
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先日私は「月と雷門」という不思議な絵を入手した。不思議という言葉が適切かどうか、この際おいておこう。 全体が黒で、浅草の人通りがほとんどなくなった夜空は清謐を保ち、中天に浮かぶ月はまさに上弦の月という名にふさわしく何万年も前からの光沢を放っている。人類がこの地球上に現れる前から同じ表情を崩さないと思うと、それはもう美をこえて、怪しげな光彩といった方がい…
- ルネサンス三巨匠揃い踏み(2013年05月29日)
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3月より上野の西洋美術館で開催されていたラファエロ展が今週末6月2日(日)で終了します。 少し前、行列覚悟で出かけてみたのですが、午前中だった為かまずまずしっかりと鑑賞する事が出来ました。 温厚で皆に愛される性格だったと伝わっているかの人、作品全体を通じてその人柄を感じさせるようなやわらかな筆致が印象的でした。中でも代表作の一つである若き日の作品、大…
- 選挙と初がつお(2013年05月21日)
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選挙の投票はいつも仕方なしに行っている。 私の人生はいつも選挙に取り囲まれてきたからだ。自分でも立候補して、多くの人を巻き込み迷惑をかけてきたし、他の人を応援するために、それこそ何千何万人の人達に頭を下げてきた。そのたびに何か形容のしようがない矛盾を感じてきた。どうして、こんなに人様に頭を下げなくてはいけないんだろう。でも、頭を下げることは人生の大きな修行…
- 餃子の恨み(2013年05月01日)
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駅の近くに「デッケーギョウザを食わせる店がある。あれを五皿食える奴はいない。」と上野の土屋がいった。魚津の邦さん「俺はビールがあればギョウザの五皿、六皿はかるい。」それじゃ、とりあえず行ってみよう。と即座にきまる。どうも此の連中と一緒だと「ノム」ことに関する限り意見の一致をみるのに時間を要さない。 まだ内幸町の中日新聞を出てから百歩と歩いていない。メ…
- 千年の里高麗にて(2013年04月20日)
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高麗の里に行ったのは二十年ぶりだ。 高麗川の清流はなお清く、魚影は細い銀色の光を放っていた。青磁色のカワセミが清流をかすめて翔んだ。菜の花はこぼれるような微笑でハイカー達を迎えいれていた。 眩しいほどの新緑。まさに絶景だ。はるか千五百年も昔、朝鮮半島からの渡来人達は高麗王のもと、百年もの間、この地で栄えたという。当時は、小高い丘の木々はもっと繁く高麗の里…
- 「地上の星」 俺は見た~後編 (2013年04月15日)
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倒れ掛かっている古い我が家に、好き嫌いを「超越」した場所が一部残されている。 各部屋ごとの天井と壁の角に造作されている神棚と称されているところだ。 そこには、伊勢の大神宮様、木曽の御嶽様、山の神様、恵比寿様、大黒様から弁天様と此の国に祭られている大方の神様が集合されている。これは一体何だろう。親父もそれ程の信仰家だったとは思えなかったし、私も特別に…
- 「地上の星」 俺は見た~前編 (2013年04月08日)
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山(登山)の世界で有名になっている奴にろくな者は居ない。生き残っている連中も同様だ。と、Sさんが吐き捨てるように呟いた。所は都内某ホテル。H山岳会60周年記念祝賀会パーティ会場。 有名、無名の参会者、約200数拾名。例によって、開会の辞に始まり続いて「現役代表」による登山活動報告を交えた新鮮味溢れる清々しい挨拶。次に、お決まりの来賓代表の祝辞が始まった…
- 地方の帝王 ―市長の事情― part3(3)(2013年03月25日)
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時が過ぎた。昭和25年頃の日本は敗戦後5年ぐらいしか経っていなかったから、貧しさは極みに達していた。例えば、弁当にしても白米もなかったし、おかずは梅干しに何か一品つけたら上等の方だった。さつまいもたったの一本という同級生もかなりいた。その頃、役場の小使いさんをしていた息子は役場の職員達の残したおかずを寄せあつめて持ってきて、一番豪華だった。朝鮮人だった同級生…
- さいたま市散歩梅、桜、そして柳(2013年03月19日)
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桜の開花がかなり早まりそうとの報が気になり、桜の名所、大宮公園に出かけてみた。3月半ば近くのこの日、まだ開花のきざしは見られなかった。それではと、産業道路を渡り、見沼代用水の東側の大宮第二公園へ。ここは桜よりも梅で知られる。ピークを過ぎつつあったものの、赤、白、ピンクの花と、園内に漂うほのかな香りを十分に楽しめた。 氷川神社からこの辺りにかけては、さい…