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新着記事
- ハインリッヒの法則と満州(2015年08月11日)
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文部科学省が日本史を近現代史から学ばせる指針を示した。既述したが賛成だ。 特に今年はあの痛ましい太平洋戦争での敗戦70年にあたるからなおさら意義深い。 最近知ったのだが、天皇陛下が、日本が戦争へ突き進んでいった原因に昭和6年の満州事変をあげていたことは勉強になった。 勉強の意味は「ハインリッヒの法則」を知ってからより深く思ったということだ。 つまり、…
- 「王さんの始球式」(2015年08月07日)
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甲子園の始球式は、王さんが投げた。甲子園の高校野球は、今年で100年を迎えた。だから世界の王さんは、この栄えある始球式にはぴったりだった。投球したボールは「スゥー」と、外角いっぱいのストライク。流石だった。早実一年生の清宮は、早実の大先輩の王さんに感動して、「必ず王さんのような大選手になりたい」と涙ぐんだ。 その王さんは、様々の苦難を乗り越えてきた。両…
- 「東芝の教訓」(2015年07月23日)
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「ぼくはね、A県で偏差値が低い高校をでたんですよ」と寿司屋の店長が半ば得意になって言っていた。客は両親に連れてこられた一人の高校生。「大学なんて、とても無理だし、大工にでもなろうと思ってたんですが、先生が大工さんは頭が良くなけりゃ無理。寿司屋にでもなったらといわれちゃってね」と店長は続けた。他の寿司屋さんが聞いたら怒るはなしだ。 大工さんでも寿司屋さんでも…
- 「僕の銀河鉄道」(2015年07月17日)
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僕の体内には銀河鉄道が走っている。 それは僕がこの地球に命を授かったと同時に敷設された鉄道だ。 はてしなく遠い無窮の宇宙から100年くらいは旅してくるために、僕はこの一粒の水滴にすぎない地球という星に降りたった。 この銀河鉄道にはいくつもの駅がある。どれもこれも奇妙で不思議な名の駅ばかりだ。 何十回となく臨時列車も走った。 「生まれいずる悩みの駅」…
- 残りものには福がある(2015年06月09日)
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近所のスーパーでカツオがワンパック残されていた。いきのいいお兄さんが言った。「だんな、たったひとつ残された、おっと売れ残ったカツオだけれど、まちがっちゃいけないよ!俺がこのプロの眼でみちゃ、一番油がのって鮮度も満点!値段は半分にしておくけどお買い得中のお買い得だ!」 私は反射的にそのカツオに金を払った。そして妙にこの売れ残ったカツオに愛着をおぼえた。〝売れ…
- 子供の日は大人の日(2015年05月07日)
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丁度五十年前の五月五日。私ははじめて県北の雄都、熊谷市に足を踏み入れた。小学六年生の時だった。今日の日と同じように空は晴れて青空を赤い大きな鯉が泳いでいた。 埼玉県赤十字社の催し物ものに青少年を祝う会があって、それが毎年五月五日の子供の日にあてられていて、私はまだ見ぬ未知のまち、熊谷に胸をときめかしていた。一つの学校、一人の参加だから人間に対する好奇心もあ…
- ブラックコーヒー(2015年04月10日)
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そういえば最近、コーヒーにシュガーをいれなくなった。 たいした理由があったからではない。純のまま飲む方が粋だと感じただけだ。 しかし、少しひっかかることがある。茶房の片隅にホッと一息ついて寄りかかると、ウエイターが「ミルクは?シュガーは?」と訪ねてくる。本能的に私は「ブラック」と答える。そして妙にこの〝ブラック〟という答えが気にかかって仕方ないのだ。 …
- 秋田の桜と選挙(2015年02月20日)
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選挙にはほとんど美談というものは聞こえてこない。醜聞や、誹謗、そして中傷のウズだ。そんななか珍しく美談を聞いた。秋田出身の市議選立候補者がチラシをつくり、ポスティングを展開。 すると数日たって電話がきた。その主は秋田から上京してきて、埼玉で財をなした実業家だった。 「あなたの御両親にずっと昔の若い頃、苦学し、明日の飯もままならぬ時、家にとめていただいて温…
- 永田町の幻(2015年01月29日)
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それこそ7年ぶりになるだろうか。 私は国会に出向いた。国会といっても、ある国会の議員会館だ。数年前に建て替えたばかりの会館はおもわず目を見張るほどの偉容を誇っていて、私を圧迫した。国権の最高機関たる国会。そこで国家のために奔走する議員の事務所となれば、ある緊張感は正常なものだと、自分に言い聞かせたりもした。 一方では”田舎者になったな”という卑下もあった…
- 離見の見(2015年01月09日)
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何とも難しいはなしだが、有頂天になると人は必ず沈むのだと思う。難しいとあえて言ったのはプロの世界の住人は常人とはちがうのだから「俺は!」という根性も必要ではないかなと思ったからなのだが。 つまり、テニスの錦織が「ぼくはもう誰にも負けない!」と断言したり、すっかり影をひそめてしまった野球の斉藤佑樹が、かつて「ぼくは何かもっている」と豪語したことが気になって仕…