社会
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安倍元総理の国葬義が終わった。故人を送ること、どんな理由があるにせよ、鉦太鼓鳴らして反対デモをする人たちはとてもはしたなかった。防衛省・自衛官、動き回る警視庁ならびに全国からの警察官、厳粛な時間を生み出してくれた。
岸田総理と菅前総理の弔辞。どちらともありきたりではなく、心を打った。中でも菅前総理。あれだけ現役の総理時代、付箋のついたバインダーを見つめ、しどろもどろで発信し、滑舌の悪さなど不評しきりであった。しかし、葬儀の中で拍手が送るという異例な光景を醸し出した菅前総理。官房長官・総理時代とはまったく違う自分の言葉で安倍元総理に語りかけた姿、その魂のこもった渾身の弔辞。安倍元総理の議員会館1212号室の風景が、読みかけの「山縣有朋」が、国葬義の日本武道館に参列した人々、テレビで視聴している国民に鮮やかによみがえり、選挙遊説中の凶弾で命を落とされた安倍元総理の無念さを共有できたのだ。
国葬儀のあと来月には国会が開かれる。国葬の是非、統一教会問題、円安、物価高、岸田総理の抱える問題は山積み。そして自民党・安倍派は主を亡くし、岸田内閣支持率の上昇の要素を持たない。菅前総理の逆襲がはじまりそうでならない。
氷川まこと