トップページ ≫ 社会 ≫ 教育 ≫ 2016年版 埼玉県の高校入試で親子が知っておくべき5つのポイント(1)
社会 …教育
「埼玉県の高校入試は複雑です」という7年前の記事が,今でも秋から冬にかけてアクセス数が伸びるなど,埼玉独自の複雑な入試制度を調べる保護者は毎年大変多いようです。特に現中3生(2017年春受験)は,様々な事情により「保護者・受験生の情報収集力」が問われる学年となっているため,例年以上に早めの情報収集が欠かせません。現中3の保護者は,そして受験生は,いったいどのようなことに気をつけておくべきなのでしょうか。
ポイントを5個に絞ってランキング形式で紹介します。
第1位 今年の中3生は「大学入試」を視野に入れて動く必要がある
今年の中3生は,高校入試よりむしろ3年後の大学入試で起こる「大混乱」を予測して準備する必要があります。その「大混乱」を具体的に申し上げると,
大学入試センター試験は現中3が最後
という一言に尽きます。つまり「もしも浪人してしまうと,翌年から始まる新テストの準備も必要になる」わけで,従来のセンター試験に記述が加わって難化必至といわれる「大学入試希望者学力評価テスト」をわざわざ受けたいとは思わないですよね。これまで指導要領が改訂された際には,浪人に対するケアとして「旧課程用の問題」が別途用意されていましたが,今回はセンター試験そのものがなくなってしまうので,そのケアがあるかどうかでさえ未知数。
よって,現中3生が3年後に受ける重圧は,共通一次試験開始を翌年に控えた1977年度の高3生以来過去40年間で最大のものになると予測されるのです。だからこそ,今から「浪人できない」「浪人したくない」という心の準備を早く始めるに越したことはありません。
上記のことを前提とすると,今年の中3生保護者が学校説明会で最も注視すべきことは「その高校の大学現役合格率」になります。いくら合格実績がよい高校でも,その中心が浪人生であったら,現中3の世代にとってはなんの意味もない数字です。その高校が「現役で合格させるための準備にどれだけ時間と労力を割いているのか」をまず調べなければ,大学合格実績の人数だけでは価値がありません。
このことに気づいている高校は,今秋の学校説明会で必ずこの部分を長所としてアピールすることでしょう。気づいていない高校は,おそらく前年までと同じカリキュラムで,同じ説明を繰り返すことになります。これは,学校選びの大きなポイントになるのです。 (つづく)
教育クリエイター 秋田洋和