社会
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思考回路は頭狂電力だ
今回の、苦し紛れの値上げだって、国の承認さえ受けられれば何とかなるだろうと、従来の延長線上で思考しているのである。多少の騒ぎや混乱はあったとしても、最終的には消費者が飲まざるを得ない筈、そして、もっともらしい理屈つけた値上げを何回か繰り返して行けば、いつの間にか赤字が解消される。かってほどの繁栄は戻らないだろうけれど業界トップの地位に変わりがないと考えたとしたならば、とんでもない話である。
従順な国民を愚弄するにも程があろう。こんな論理には正当性のかけらもない。重病人が治療を忌避して前後の見境もなく、ただ苦しみから逃れるために、もっとモルヒネをくれと言っているに等しいのである。付き添う身ならば、誰しもが何とか良い治療法を見つけて治してやりたい、少しでも良くなる法はないものかと考えるのが普通であろう。こんな、小手先のその場しのぎで解決できるほど事態は甘く無いと大多数の国民が思っているだろう。今回の値上げで全てが元の鞘に収まると本気で考えているのなら、まさに頭狂電力であると申し上げたい。
一連の迷惑をこうむった国民は、この苦い経験から多くを学び取っている、悲惨な情況を知らされるにつけ、自分たちに取って何が一番大切なのか、何をどのよう信じたらいいのかを真剣に考えるようになってきているのだ。
消費者にも切り札が・・・
値上げの申請は、一方的であっても東電の勝手で行えるが、どっこい、世の中は公平にできている。消費者にだって、これに対抗出来る方策がある事を東電はたぶん知らないのだろう。このまま、東電が料金の値上げに向かってゆけば、思いもよらない強烈なしっぺ返しにあう。その時、東電がいかに浅はかだったかを知っても、もう遅いのだが。
電気料金が銀行引き落としとなって久しい、手間が省けるので消費者に受け入れられ、大多数の人がその手続きを踏んだ。どんな事業でも経営上で一番やっかいなのが集金であるが、お陰で東電は、これまで何かと煩わしかった事から解放され、一気に経済的基盤を固める事となった。これも自助努力より時代の風に後押しされたタナボタ式の
お客様のニーズを大切にする。これはどんな業種であれ共通する大切なポリシーなのだが、銀行引き落としが定着したが為に、この重要なポイントを欠いたままに膨張し続ける事となってしまった。それ以降、そら恐ろしいほど長い時間をいわば片肺飛行で運航してきた訳であるが、この辺を正すのが最も適切な治療法であると考えている。
電気料金の支払い方法に法律上の規制は無い。銀行引き落としでもコンビニの払い込みでも消費者の自由である。銀行引き落としを解約し、やっかいであっても昔のように、みんなが金融機関から払い込む方式に戻したらどうだろうか。そうすれば、今回の値上げは納得がいかないからと支払いを一時停止する事も出来るし、供託する事だって出来るのである。こうすれば、少なくとも東電の安易な値上げに対する意思表示になっていくだろう。
なめたらいかんぜよ!
一人一人の力は微弱であっても、こんな運動が各地に広まってゆけば、さらに大きなものを動かすエネルギーとなり得るのである。チェニジア、エジプト、リビアと続いた、いわゆる「アラブの春」革命を見るまでもないであろう。少し前なら電気を止めて裁判に訴えると
本来なら伝家の宝刀を振りかざし、即座に電気を切るという挙に出ていた東電だったが、事故後の社会情況下では、到底そんなやり方は世論が許さないだろうくらいは察知できるだろう。もし、一連の不払い運動が裁判にかかるとしたら、騒ぎは日本全土に広がり、怒りの渦の中で東電がさらなる指弾を受けるのは必至である。まあ、いくらなんでも、これ以上、国民から見放されたら、おしまいだくらいの自覚はあると思うが。また、国民の一人として裁判所が原発事故をどのように裁くかを聞きたい気もするが、まあ、絶対にそんな事にはならないだろう。
つづく