トップページ ≫ 外交評論家 加瀬英明 論集 ≫ 煽情的なニュースで気を晴らす
外交評論家 加瀬英明 論集
そういえば日本では雑誌の目次をみても、「緊急座談会」とか、「直撃」、「激突」、「特別手記」、あるいは「イランで暴動発生!国際金融不安」とか、「残酷!銀行ハイジャック事件のすべて」といったように騒々しい。それもかなり知的な層を対象とした雑誌で、そうなのだ。日本では街を歩くと騒音が多く、人々がせわしい生活を送っているが、新聞や、雑誌にも、このような面が現れているようである。
それに日本では集団が個人に優先するので、人々が自分を殺して生きているために、煽情的なニュースによって気晴らしをしているところがあるのだろう。そこで新聞の人目をひくような大きな見出しに釣られているうちに、ニュースの弥次馬になってしまう。そして、そのうちにしっかりとニュースを見る眼を失ってしまうことになる。
そこで新聞を読む時には、見出しの活字がもっと小さなものであるべきだということを頭に置いてから、手に取る癖をつけたい。自分の眼のなかで活字を小さく変えたと想像しながら読めば、それほど焦立しいものではなくなる。
夕刊を見ると、また見出しが大きい。朝日のトップ・ニュースは「東京の食料品割高は否めず、農業白書ちょっぴり本音」、毎日は「原発事故防止で緊急会議 原子力安全委 運転の是非を論議」というものだ。とにかく大きすぎる。ニュースをもっと多く入れるためにも、見出しを小さくしてもらえないものだろうか。
個性の時代 ミーイズムのすすめ 6章 新聞にみる「センセーショナリズム」
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