トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 高校に入る前に親がしてはいけない82のこと 第3章 学校生活・勉強のタブー(43)
教育クリエイター 秋田洋和論集
高校生になると勉強が大変だから、部活はやらせないつもりだ
高校生になると、勉強と部活動との両立は今以上に大変になります。通学時間が増えるいっぽうで帰宅時間は遅くなり、結果、睡眠時間も少なくなっていくものです。
そんな状況を想像して、
「毎日の勉強に支障をきたすかもしれない」
「体力が続くのかしら」
と、つい心配が先にたってしまう親の気持ちは当然です。
だからといって高校生になる子どもに対して、
「勉強が大変だから、部活はやめておきなさい」
とアドバイスすることはお勧めできません。むしろ、高校生にもなって〝親からのいいつけを守って〟部活動をやろうとしないタイプの子どもには、
成績がふるわない生徒が多い
のです。指示やいいつけを忠実に守るという「指示待ち・受け身の姿勢」に慣れきっていると、むしろ成績はなかなか伸びません。
高校での勉強は、中学時代よりもさらに「与えられたものを素直に消化する」だけでなく、自分で興味・関心をもって「自らつかみに行く」姿勢が求められます。
自分の時間まで管理され、「やらされる勉強」を強いられる子どもたちには、勉強を続けるモチベーションが見つけられなくなってしまうのです。
高校時代に経験するものは、部活動も勉強も恋愛も、すべてが「子どもが一人立ちするためのトレーニング」です。親の視点で勉強以外の〝ムダ〟を排除し、よそ見をさせずにひたすら目標に向かって走らせようとすれば、さまざまな弊害が生じて当たり前だと思っておきましょう。
ハードな部活動に入って途中で挫折しても、勉強のリカバリーは間に合います。
高校生のスケジュール管理は、本人に任せること。
これをルール化するだけで充分です。だから中学生のうちからでも少しずつ、
「自分で考えて、自分で決めなさい」
と、本人にできるだけ任せ、口出しする機会を減らしていきたいものです。
「高校に入る前に親がしてはいけない82のこと」(PHP文庫)秋田洋和より
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