トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 高校に入る前に親がしてはいけない82のこと 第3章 学校生活・勉強のタブー(37)
教育クリエイター 秋田洋和論集
テストができなくても、頑張ったのなら当然子どもを褒めてやる
毎年中学生に数学を教えていますが、初回の授業で気をつけて観察していることが二つあります。それは、
・目標をクリアしようとする姿勢が欠如していないか
・すぐに言い訳をしていないか
の二点です。授業では「前週の学習内容を翌週のテストで確認、不合格者は再テスト」のルールを設定するのですが、
・不合格でもまったく悪びれる様子がない
・「ダメだったけど、俺(私)なりには頑張ったんだよ」という言い訳をする
といった様子が、ほぼ全員に見られるのです。加えて親御さんからも、「そんなに厳しくされたことがないので仕方ありません。あの子なりには頑張っているので」と言われることが少なくありません。
子どもたちに聞くと、やはり「学校では『頑張ってきたんだよ』と言えば許してくれる」「みんなそうだよ」と、ニコヤカに返してくれます。中学校の通知表でも、その子の頑張りを評価に加味する形になっているようです。
うまくいったときは褒めてくれる、だめだったときは「頑張った」という過程を考慮してくれる。
こんな環境で育った子が、成果を出せるまで頑張るようになれるでしょうか?
これから高校、大学、社会人と進むにつれて、周りの人は「褒めてくれる人」「優しく見守ってくれる人」ばかりではなくなります。むしろ厳しい環境に身を置いて、挫折や失敗を繰り返しながら成長していくことでしょう。
「(できなかったけど)頑張ったんだよ」が通用する期間は終了します。高校受験をきっかけに、自分の将来は自分でつかむ以外にないという話をお母さんからしてください。これから子どもは「頑張ったんだからいいでしょ」という甘えが全く通用しない世界に飛び出していくのですから。
「高校に入る前に親がしてはいけない82のこと」(PHP文庫)秋田洋和より
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