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コラム …雪んこの頑張って咲きます♪
ここ数日間、私は自己への問いかけの答えに悩んだ。
まず、一つは、ある子育てサイトの「一番演技が下手だと思うジャニーズランキング」の結果を受けての問いかけである。
そのランキングの圧倒的な1位は、我が愛するキムタクだった。さらに1位の理由の多くは「何をやってもキムタク」だった。
確かにキムタクは何をやろうともかっこいいキムタクだから…演技が下手なのか…。
そしてもう一つ。
映画興行収入246.5億を叩きだした「君の名は。」を先日観た。
随分、時代遅れみたいに時期がずれているが、アニメには興味が薄れてきたことが理由で、世間が騒いでいるのを横目に「所詮、アニメでしょ」と劇場に足を運ぶことがなかった。
しかし、私の足を動かしたのは、60代の意見だった。「観た方がいいよ、よかったよ」と。
20代、30代、40代がいい映画というのはまだわかるとしよう。それが60代となると話が違う。世代を超えたアニメ映画を観ようと、いざ!映画館へ。まわりの友達は観ていたので初めての一人映画鑑賞であった。
その結果を話す前に。
私は涙もろい。先日、地上波初放送の「ビリギャル」でも号泣してしまった。
私とはほど遠い、学生の恋愛もののドラマも好きだ。SFものも嫌いではない。
多くの要素を詰め込んだ「君の名は。」に期待を抱きながらポップコーンを持ち、その場に臨んだ。
しかし、…まったくといっていいほど、感動の欠片もなかった。
それが、私の問いかけを引き起こした。「私は人と感動の観点が違うのか」。
その後、この二つの問いかけが私の中で合致した。
アニメは、演じる役者のように繊細な表情をだせない。極端にいえば、大根役者が芝居をするようなものだ。(アニメファンの方、ごめんなさい)
私が面白い、涙するというものは、役者の演技に感情移入するからである。
したがって私がキムタクのドラマに感動するということは、彼の演技が大根ではないということなのだ。
私が彼のファンだからではない。申し訳ないが、藤原紀香は好きであるが、その演技はと問われると、決して上手いとはいえないのでどんな役をやろうとも惹きつけられない。(ごめんなさい)
現在、演技においてはトップクラスの名優・香川照之は「日本魅録3」の中でこう綴った。
そのタイトルは「REAL HERO」。
「木村拓哉というスターが劇中で語る言葉が、脚本に書いてあるセリフには全く思えず、まるで今実際に彼が思ってることをそのままリアルに話しているかのように思えて画面に目が釘付けになった…」と、あすなろ白書のドラマを観ての言葉だった。
その後、映画で共演した際「現場で私に初めて投げかけた言葉が、普通の会話だと思って普通に返答したら実はもうセリフが始まっていたという衝撃の瞬間は、私の家宝としていまも胸にそっと仕舞われている…」。
それ以来、香川は「僕にとって、木村拓哉さんとの仕事はいつも、他の現場とはある意味一線を画した真剣勝負」と語っている。
香川の言葉は「キムタクは何をやろうがキムタク」の答えをこう導きだした。
サザンの桑田が、他者の歌をまるで自分の持ち歌のように変えてしまうように、キムタクはその役を超えて、フィクションかノンフィクションかわからないドラマのように「リアルヒーロー・キムタク」をつくりだす。だからこそ、どんなに叩かれようが、彼のドラマは高視聴率を叩きだすのだ。
そう、もしかしたら「何をやってもキムタク」という言葉は、木村拓哉として、夫として、父親として、アイドルとして、そして俳優としての最高の褒め言葉なのかもしれない。
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