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コラム …雪んこの頑張って咲きます♪
「趣味が高じて」、という言葉はあるが、趣味を超えて歴史をつくってしまったひとがいた。
このひとの名は、小林玖仁男氏、国有登録有形文化財二木屋のご主人である。
小林氏は日本全国のお雛様を収集し、それを期間限定で披露。
毎年ひな祭りの前後約1週間は、食事の席の五部屋をつぶし、およそ500体のお雛様を飾り無料公開している。
その部屋はまるでお雛様の歴史館のように、訪れる者の興味と関心を誘う。
私も女という性に生まれて、お雛様の七段飾りを親から買ってもらった。
七段という飾りをセッティングするだけでも大変だった記憶がある。
なのに、二木屋のお雛様はおよそ500体。
その数を15名の従業員さんが1日でつくるそうだ。
それにも驚かせるが、お雛様のそれぞれの顔にも驚かされる。
さらにその顔から歴史がわかるから人形の奥深さを知ることができる。
小林氏いわく、「お雛様は顔の芸術だから面白い」という。
たしかに、ひとつひとつ顔がちがう。それは多くのお雛様が並んでいるからこそわかった次第である。
近年では、フランス人形や目がぱっちりのりかちゃん人形のような何でもありのお雛様時代だ。たしかに可愛いものがでてきた。部屋に飾っておくには、正統派のお雛様より明るい感じがするだろう。
しかし、ここはさいたま市、人形の町、岩槻の市である。
作るだけではなく、二木屋さんのように、人形の伝統を重んじ、その歴史と繊細な人形の顔を語りついで行く店があることはさいたま市にとって誇りになる。
そういった意味でも、収集家であり、室礼研究家、二木屋店主小林氏にあらためて敬意を表したい。
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