文芸広場
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花をいただいた。あまり自分で買うことはない。
「部屋には花を絶やさないようにしています。」などと、上質な生活を漂わせるひとにわたしはなりたい。
さて、自分のあこがれを語るのは別の機会にして、いただいた花の効用について。
花って、しみじみいいものだ。ながめているとこころが和む。自然の色の美しさにうっとりする。かすかにただよう香りにも満たされる。先程から、「花」のひとことで済ましているが、実は、花の名にうとくて、名前がわからない。わたしの求める上質な生活は遠い。
花で満たされたところで、もうひとつの効用を見つけた。食卓の向かい合わせに座った夫からの、料理に関するクレームを拝聴するときには、間に花を置く。わたしは、花に向かってほほ笑む。
檀 ままこ
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