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俳句・詩・小説・エッセイ等あなたの想いや作品をお寄せください。
新着記事
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- 早春譜(2021年03月08日)
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いつも不機嫌な顔をしている人がいる 日々面白くないことばかりだからです 仁王様はいつも正面を睨んでいる この世には許しがたいことがあるからです 同じ世にいるのに何時も微笑んでいるものがいる 聖母や観音さまです 二人とも俯いているのは 目の前にある醜いものは見たくないからです 聖母や観音さまが見ているのは腕の中の幼子です 人の世を…
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- 鳥巣立つ ➃(2021年02月12日)
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「メール」 今の時代、パソコンや携帯電話を利用して、たいていの方が便利にメールをしていることと思います。メールは、電話のように、相手の都合や時間をそれほど気にすることなく送ることができますし、記録にもなりますので、後から確認もできてとても便利です。写真や動画を送ることもできます。携帯電話の待ち受け画面をお孫さんにされている方も多いのではないでしょうか…
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- 眠れぬ羊(2021年02月03日)
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羊にも眠れない夜がある 目を閉じて今日通り過ぎた人を数えた 人間が一匹 人間が二匹 暦を辿り三年前まで数えた時 嫌な人間を思い出して目が冴えた 祭りの日道端に座っていた 幼児が通り過ぎたあと スキップして少年や少女が通り過ぎた 子供は何時から悪人になるのだろう 角を五つ曲がった先から ゾロゾロ子供を止めた大人たちが現れた 雨が止んで又雨…
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- 鳥巣立つ〈俳句集〉➂(2021年01月18日)
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冬夕焼悲しき時も句を詠みて おでん煮る鍋の窮屈さうになり…
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- 帰る(2021年01月03日)
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何となく拾ってきたドングリの実 机の隅に置いて四、五日眺めていた 二、三日話しかけたが返事をしない 四日目初めて口を開いた 「帰りたい」 翌日私はドングリを元の道端の上に帰した それから時折「帰りたい」という声を聞くようになった ある時は壁の一輪挿しが呟く 「もう捨てて下さい。明日は土に帰りたいんです」 いつまでも根なしで生きているのは辛い…
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- 鳥巣立つ〈俳句集〉➁(2020年12月06日)
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木枯や泣いてゐるのは風のせゐ 公園の落葉溜りを蹴ってみる …
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- 鳥巣立つ〈俳句集〉➀(2020年11月23日)
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枯蟷螂その眼力のはかなげな 花八手彼にも言ひ分あるらしく…
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- 笑顔(2020年11月05日)
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子供が笑う 母親といるだけで嬉しいのだ 子供が笑うと山も雲も 子犬も花も笑う 子供が笑うと世界が笑う 大人は自分に大きな得でもないと笑わない 大人は朝から寝るまで不満と怒りの中にいる 笑うことは少ないが大人の笑の種類は多い 苦笑 自嘲 冷笑 嘲笑 哄笑 憫笑 追従笑い 含み笑い 泣き笑い ほくそ笑み 薄笑い 作り笑い・・・ ウソの笑い…
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- 今宵は満月(2020年10月17日)
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明るい夜は生きものが不安になる 岩穴に差し込む月光に狼は遠吠えをする 昔 月の夜は夜通し火を灯し酒宴の商家もあった ある地域では縁側にススキを飾りダンゴや饅頭を供えた ハロウィンは「トリック オア トリート!」 子供達が(お菓子をくれないと悪戯するぞ)と仮面をつけて家々を廻る 日本の古い月の祭りは供え物を盗る子供達を物陰から大人達は笑って見ていた…
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- カーテン・コール(2020年10月03日)
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目的が結果にあるのなら 生まれたのは死ぬ為である いやならはじめから生まれなければよい 生き物の目的は何か 何かを得る為とか 何かになる為であると思う では苦痛ばかりの人やその他大勢にはどんな意味があるのか? 寒風の中で枯木立は考えている 芽が出る日/葉が茂る日/花が咲く日/実が稔る日のことを 目的は過程にあるのかもしれない プロセスが全…
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