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文芸広場
俳句・詩・小説・エッセイ等あなたの想いや作品をお寄せください。
新着記事
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- 木の葉の手紙(2022年09月10日)
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銀杏の木の下で立ち止まった 声がしたのである 声は地を埋め尽くした落ち葉からだった …言いたくても言えないのです… …伝えたくても伝えられない場合があるのです… …今は話す時ではないと思う時があります… 〈どのような神がいて どのような神がいないのか〉 〈この世界に自分がいた意味はあるのか〉等々 在るのか無いのか〇か×では答えられない問題があ…
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- 星がなる木(2022年08月30日)
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最期の葉が枝を離れた時 桜の木は全てのドラマは終わったと思った 若葉の時があった 花の時があった 夏は数えきれない程の青葉の中にいた 重なった葉が緑陰を作り人を休ませた 短い夏が終わると全ての葉が様々な彩に映え 春の花盛りの時と同じく通り過ぎる人の足を止めた 人目を惹く花の時も短い時であった 紅葉の時も短い時であった 初冬全てを失ったと思…
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- この世の仕組み(2022年08月14日)
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空気や水のように 大事なものでも毎日あると気づかなくなります。 同じものが何時までも続くと飽きます 毎日カレーライスばかり食べている人はいない 女性は時折髪形を変えます 日々の天候も雨や風の日があります 時々不味いものを食べることも意味あります 悪い出来事や悪い人には日々出合うので 小さくても良い事や善い人に出逢うと幸せを感じます 毎日汚い…
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- 自分への子守歌(2022年08月02日)
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有り難う 一日に一度 一年に一度 一生に一度 そういう出会いがある お早う 道端に咲いている花 肩に止まったとんぼが笑った この世界で出会った人達がいる 嫌な事いっぱい 嫌な人いっぱい そんな一日でも 探せば一つ以上嬉しい事がある 本日は朝から晴天 嬉しい人との会話があった それで今日一日は 〇 かくて今宵も屋根の上は…
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- 毎夜の旅立ち(2022年07月21日)
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鳥は眠るとき、頭を羽に隠します 一日の嫌な事、悲しい事はみな忘れたいのです 毎夜私が疲れて布団に包まると 寝ている身体から起き上がり旅立ちの支度を始める私がいます 私は呼吸を整えβ波を鎮めます 真言宗のお坊さんは月輪観を始めると 月が大きくなり自分が消えてしまうと言います 私は明日を忘れ自分を忘れていきます 行く先は異次元世界です ハリーポ…
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- セミと雲(2022年07月04日)
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蝉は死に場所を選ばない 道端でも屋根の上 何処でも何時でも 生きるの大変 死ぬのは簡単 トリモチで捕らえられる時もある 飛んでいる最中に鳥に喰れる時もある 今朝も散歩道にヒグラシが仰向けで死んでいた セミには個々の名はないので墓碑はいらない 幽体離脱したセミは暫く樹に止まり 自分であった抜け殻を見ている まもなく神輿のように蟻に牽かれて行く…
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- 自分が大勢いる(2022年06月21日)
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自分が自分に気づくのは 周りに誰もいなくなってからです 仲間から取り残された時です 自分が群れの中で劣っていることに気づいた時です 柿の実が自分に気づいたのは季節の終わりであった 青い小さな実は夏の盛り自分を知らなかった やがて周りの葉はそれぞれに身を飾り枝を離れていった その昔熟した実は人が食べた 何故か今は鶏も姿をみせない 柿の実は無為…
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- 満点星(2022年06月05日)
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ドウダンツツジの漢字表記は灯台躑躅ですが 満点星という素敵な呼称もあります 「綺麗な花には毒がある」というのは 見かけが美しい女性には要注意という警告です 事実である場合もありますが 多くは見かけに自信がない女性のヒガミであり 「ああいう女性は中身が良くないに決まっている。頭が悪いか性格が悪い」等 葡萄に手が届かなかったイソップの狐と振られた男…
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- 八番目の不思議(2022年05月22日)
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スフィンクスより不思議なものは自分が今此処にいることです 三葉虫でもイグアナでもない人のカタチで 今 この場にいる不思議 オンリーワンなのに何も特色が無い不思議 唯我独空 私をみている 飼い犬の 金魚の 昆虫の 二つの目 見渡すとそんな様々な自分がいる不思議 百年前の人の怒り 千年前の人の悲しみ 千六百年前の土偶の頬笑み そして人間以外の様…
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- 高等数学(2022年05月09日)
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高等数学は分かりません 数学には感情が無いからです そして感情だらけの人間もこれまた難しいです 飢えたとき食べ物を得るには 痛い思いをしない為には ネズミもネコも私も生き物はみな学習します 自分も鏡をみると一匹の人間でした 私は試行錯誤の上この世界のルールを少し知りました …ここから ここまでなら いいがそれ以上は期待しない… …こつこつ働…