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文芸広場
俳句・詩・小説・エッセイ等あなたの想いや作品をお寄せください。
新着記事
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- 夢の証拠(2019年06月07日)
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目が覚めたら朝だった 昨夜は久しぶりに熟睡した 熟睡した時間は短い 寝てから一時間も経過していない気がする その間の時間がそっくり抜け落ちている その間私はどこへ行っていたのだろう どこかの夢の世界で私は魚だった 樹木の上で暮らしていたこともある 人間になってからは王子だったこともある 乞食だったこともある そして目が覚める前は兎だった …
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- タンポポの行方(2019年05月24日)
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旅立ちの前に言っておくことがあります 何処へ飛んでいってもいいけれど 水の上はダメですよ 鉢の中はダメですよ そこは雑草の生えるところではないので 引き抜かれてしまいます 窓から知らない人のお家に入ってもいけません きれいにならされた地面は建物が建つ所です 芽が出たときは真っ黒な床下です 耕された土の上は一番ダメです 野菜の生える場所です…
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- タンポポ旅立ち(2019年05月08日)
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花の後で 種を丸くデザインするなんて 思いつかなかったでしょう 毎日空を見て考えていたのです 何時か貴方に逢える日の事を 私 これから風にのって 雲のところまで行きます …
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- 野の花(2019年04月23日)
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野の花に 一人の散歩の人が目を止め 賞賛してくれることがある しかし多くの人は野の花を知らない 知っているのは 蝶や昆虫だけ 咲いてから散るまで 誰一人気づきもしないのだ 花は何故幸せそうに咲いているのだろう 誰も野の花を育てたひとはいない 短い花の命を みな美しく咲いているのは 作った方が見ているのを知っているからです …
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- 名もなきもの(2019年04月09日)
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ただの町はずれの場所がある あなたは何のためにいるのか 何処へいくのか そんなことも答えられず 日々生きているだけ という人もいる そんな人が犬に連れられて散歩をしていた 男は満開の桜に気づいていたが 小川が流れていてそこへいく道が見当たらない 公園や庭に咲いている花は人が見るためだが 人の世界の向こう側に咲いている花もある 大勢の役…
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- 少女とブランコ(2019年03月24日)
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少女はブランコに乗ると天使になった 少女は大空を舞いたかった ブランコを大きくこぐと、そのまま少女は大空に消えた 天使になった少女はすべての悲しい思い出を新しい夢にかえた トパーズ色の空はまさに碧空となった 少女は幸せ一杯の天使になった そして自分と同じ苦しみをこえてきた多くの人達に少女は天使の祈りを捧げた 何十年もの間、公園の片隅に置かれてい…
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- 誰もが物語の主人公(2019年03月10日)
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人はみな物語の主人公だ 視聴率が多いか少ないか 登場人物が多いか少ないか 物語が長いか短いかはあっても 気がつけば誰もがこの世界に 昔も今も世界に一人しかいない生きものだ 私の不思議はそれなのに何も特技がない だから威張ることが出来ない それに気づいた人間は世界中みな仲間だと思う みな社会の一部分で生きている人達だ…
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- 見えない 聞こえない(2019年02月24日)
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木に登れば川が見える 石段を上ると町が見える 山に登ると海が見える 高く登ると見えなくなるものがある 草叢の赤い実 草の葉裏に隠れたテントウムシ 人の世の階段を駆け上り人の上に立つ 百人の長がいる 千人の長がいる 万人の長がいる 数が増えるにつれ個人の区別は分からなくなる 一人一人の人間が分るのは十人くらいまでだ それで野球は九人 …
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- 冬の丘のドラマ(2019年02月11日)
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何もない冬の丘の上に 今朝は灰色の幕が上り 久しぶりに青空がのぞいている このステージには時折り バードウオッチングの者なら誰でも 息をのむ色鮮やかな野鳥が横切り 様々な形の雲が現れる やがて日が暮れると豪華な夕焼けが見られる そして夜の帳が下りれば ナレーションなしで朝まで太古からの星座が登場する そんな夜空を峠で明け方まで 一人で観…
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- 悲しいトランペット(2019年01月28日)
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トランペットは少年のものだ 私だけの確信だ あの透明で澄みわたった音色 少年Yはいつも寂しかった 父もなく、母もなく 親類の家で育てられた 少年のなぐさめは猫だった そしてトランペット 猫だけが少年Yを理解している Yはそう思っていた 猫とたわむれると きまってYはトランペットを遠く秩父の山並みに向かって吹いた 悲しみにあふれた音色だ…
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