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文芸広場
俳句・詩・小説・エッセイ等あなたの想いや作品をお寄せください。
新着記事
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- 夏の日の夢(2018年09月17日)
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子供が「あっ」と叫んで目を覚ますことがある 夢を見ていたのだ 隣の部屋にキリンがいたとか 浜辺に一人ボッチだったとか 爆撃機が自分に向かって飛んで来たとか 信じて貰えないことばかり 寝ながら笑っている子がいる 寝ながら泣いている子がいる 子供は夢の世界と繋がっている 大人になるにつれ様々な世間の智恵を増やすが 多くのものを失っていく かつ…
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- 蜩の読経(2018年09月03日)
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今年 初めて 蜩の鳴き声を聞いた かな かな かな かな カナ カナ カナ カナ ・・・哉 ・・・哉 ・・・哉 この世のことは全部知って 蝉になったお坊さんの読経です 悲しい哉 カナ カナ カナ・・・ 寂しい哉 カナ カナ カナ・・・ 善い哉 カナ カナ カナ・・・ 猛暑の一日が暮れます 昔も今も同じです 昼が過ぎて日が落ちても…
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- 時々 少し 〇(2018年08月20日)
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善いことは時々あるのがいい ご馳走はたまに食べるのでいい 嬉しいことは忘れた頃くるのがいい 今まであるものはあるのが当たり前になってくる 無くてもいいとさえ感じる 神社が村外れにあるのは何でもお見通しの方が傍にいると困るからです 村人は季節の祭りに集まり 願い事のあるときだけ人が訪れます 在るものは ときどき無くなるといいのです そして無くな…
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- 盆踊り(2018年08月12日)
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科学は遅れている 時空は幻に過ぎず世界は想念で出来ていること 傍にいても遠い世界にいて 遠くにいても何時も傍にいる人がいることを 人は相対性理論や量子論の遙か昔から知っていた 世界はいろいろある 昔は三千世界といったが科学用語では多次元世界という 同じ日にゴッホの夕焼けと谷内六郎の夕焼けがある キリスト教では亡くなった人は天国に行くまで逢…
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- トロッコ(2018年08月04日)
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少年がトロッコに乗ると 決まって夏は逃げるように去った 疲れた秋の風がトロッコの林を静かにゆすった 少年がトロッコに乗ると はるかな祖先や先日まで一緒だった 父も母もトロッコに乗ってきた 少年は嬉しくて目頭が熱くなった トロッコが500メートルも走ると必ずとまった 少年は我にもどってトロッコからおりて 今きた道に向かってトロッコを押していっ…
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- 一粒万倍日(2018年07月28日)
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一粒万倍日は真冬でも真夏でもあります 「一粒の麦」のたとえは聖書ですがこの語源は「報恩経」です 季節に関わらず蒔けるのは心の畑です 明日誰かを喜ばすために 一カ月後、一年後誰かを喜ばすために 何かを考えること 始めることは楽しい 人を喜ばせるのは大勢より一人がいいのです そして大きな事より小さなことがいいのです 人は複数になると難しくなります…
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- 孤丘(2018年07月16日)
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いっぴきの狐がボンヤリと遠い空の彼方をみている 狐は知っているのだ ほんとうの空はみな虚空だということを 狐のまわりはすすきが銀色の波をうっている このすすきの丘はもう何千年もの昔からあきもせず 同じ風景を彩り造ってきた 狐もまた何千年もの昔から この丘に立ちすくんでいると思っていた それにしても仲間はみなどこかへいなくなって誰ひとり姿はなか…
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- 狼魚の孤独(2018年07月07日)
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海鳴が聞こえている もしかすると遠い何万年からの昔から聞こえていたのかもしれない しかし近頃、海鳴の音が悲鳴のような響きに変ってきたと海底の狼魚は感じていた 地球が傷ついている 地球が傾いてきたと狼魚は思っている しかし俺はこんな500メートルぐらいの暗い海の底で何も知らないし、何も見えない せいぜい1メートルぐらいの小動物のうごめきしかわからな…
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- 地球儀(2018年06月29日)
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ずっと昔。 虚無に浮いてる地球という言葉を知った。 それからのぼくは夏が近づくと、 訳もなく地球儀を回すことが習慣のようになった。 独りの実在としてぼくがいて、 何万年もの遠い日の昔を思い浮かべ、 何万年もの遥かな未来を夢見てる。 そしてこの傾いていく地球の片隅で、 荒々しく呼吸をしている。…
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- アサガオの企み(2018年06月25日)
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色とりどりの朝顔の鉢があった それぞれの色と形が美しかったので 次の年もまたその七色の花を楽しもうと 種に色の名前をつけて保存したのである 翌年の春朝顔の鉢にその種をうめて開花を待った 初夏のある日紫色の花が開いた 七つの鉢からは次ぎ次ぎと花が開いた 怪訝なことに全て紫だった 紫の朝顔も美しかったが 紫の朝顔は種の保存のために並はずれた繁殖…
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