文芸広場
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ネズミはネズミのように考えネコはネコのように考える
あるとき一匹のネズミがネズミであることに疑問を感じた
あるとき一匹のネコがネコであることに疑問を感じた
しかし
自分が嫌になったネコやネズミに他に生きる世界があるだろうか
ネズミであることが嫌になったネズミは旅にでた
ネコであることが嫌になったネコは旅にでた
家を出た二人は野の果てで仏に出逢った
仏は二人に誰もが望み通りのものになれると言い
ネズミに向かい大きなヘビはどうだと云われた
ヘビは強い生きものだが人に嫌われている
人に嫌われてまで生きたくはない 二人は言った
では犬はどうだと云われた
犬はヘビよりもカラスよりもマシだがいつも鎖に繋がれているのが面白くない
では空の覇者コンドルはどうだ
海の覇者のシャチはどうだと仏が笑った
生態系の上に君臨する者の目は何故かみな険しく暗かった
何処からか良い香りが漂ってきた
見渡すと仏の周りには様々な形や色の野の花が咲いていた
二人は野の花になった
山上 村人
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