社会
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戸田市議選が1月27日投開票日となった。
定数26名のところ36名が立候補し、さぞかし、ヒートアップか
と思いきや、投票率は過去最低の44.61%。(前回47.09%)。
この投票率の伸び悩みにはびっくりだ。
市議は県議と違って、地域密着で、生活に密着した諸問題の解決にあらゆる
場面でその力を発揮するものなのに。
市民の関心のなさは、「政治」が悪いせいだけではない。
市民が自己責任で行政と向き合うという「心」の欠落は結局あとから市民自身
にツケが回ってくるということを認識していないのだ。
立派な議員が市議会で「この町をよくしよう」ということで目標を掲げて、
さらに市長が正しい方向に舵を切っていくかどうかを議員がチェックする。
そこでその町の「成熟度」が決まっていくのだ。
戸田市は弁護士出身の神保市長が「公平・公正・公開」を基本理念にまちづくりが
進められてきた。そして、今「行政と市民との協働」というお題目だけではなく
「市民がまちづくりに意見し、問題点を出しあい自治基本条例を策定しよう」という
神保市長の構想が大きく進みだした時期なのに、市民の無関心、さぞかし行政側は
落胆したであろう。
それでも「町を想う人々」がきっとよい自治基本条例を策定することは間違いない。
そして、その市議選。29歳の女性候補が3148票という大量得票でトップ当選。
自転車にのって、フットワークも軽くイメージもよかった。二位が共産党。共産党は
四議席を獲得。これは各地方選挙でも珍しい共産党の頑張りだ。現職議長経験者が落
選。同じく現職(かつての大物議員の子息)も落選。民主党の看板で戦った現職も落選。
維新の会公認、維新塾を標榜した二名ともに落選。維新の会だから票が入るということは
ない。みんなの党は一議席獲得。このみんなの党と維新の会の違いは選挙の取り組みが
違っていた。渡辺喜美代表も応援にはいり、また埼玉県内から市議が応援にかけつけ広報
も選挙戦も基本通りに進めていたのに対して維新の会はのぼりをたてて立つ。といったスタ
イル。政党として公認したあとの責任の違いが如実だった。(埼玉県で当選した衆議院議員
はこのことをどう感じているかも知りたいところだ)。
議会議員選挙は新人有利、現職不利ということは当たり前で、期を重ねればそれだけ戦いは
厳しい。その中で勝ち抜いた現職議員は恒常的によい議員活動をしていた証だ。
今後は新人議員には得票うんぬんではなく、議会のしくみからしっかりと先輩議員に教えを請
うて、「2008年の日本経済新聞行政サービス調査。埼玉で1位。全国で8位にランキングされ
たことがある神保市政」のいい意味でのチェック機関として汗を流してほしいと思う。
(伊勢谷珠子)