文芸広場
俳句・詩・小説・エッセイ等あなたの想いや作品をお寄せください。
羊にも眠れない夜がある
目を閉じて今日通り過ぎた人を数えた
人間が一匹 人間が二匹
暦を辿り三年前まで数えた時
嫌な人間を思い出して目が冴えた
祭りの日道端に座っていた
幼児が通り過ぎたあと
スキップして少年や少女が通り過ぎた
子供は何時から悪人になるのだろう
角を五つ曲がった先から
ゾロゾロ子供を止めた大人たちが現れた
雨が止んで又雨が降り出し
寒いとおもったら雪が降っていた
静かだと思ったら雪が止んでいた
良い人なのに不幸の絶えない人がいる
嫌われている人なのに生涯丈夫な人がいる
そこに在るのに見えない聞こえない人がいる
そっちへ行っちゃいけないよと叫んでいるのに
底なし沼に走っていった人がいる
漸く眠ったあとでお月さまが現れた
子供の笑い声がする
どこからか街の音が聞こえる
山上村人
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