文芸広場
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「メール」
今の時代、パソコンや携帯電話を利用して、たいていの方が便利にメールをしていることと思います。メールは、電話のように、相手の都合や時間をそれほど気にすることなく送ることができますし、記録にもなりますので、後から確認もできてとても便利です。写真や動画を送ることもできます。携帯電話の待ち受け画面をお孫さんにされている方も多いのではないでしょうか?
昔は主人と喧嘩などすると、謝るきっかけがなかなかなくて、仕方なく手紙を書いてポケットに入れたりしていたものでしたが、この頃はメールで、普通なら照れくさくて素直に言えないことも伝えられるので、早くに謝ることができ、誤解がとけたりもします。
けれど私は今、スマートフォンを使っているのですが、画面の反応が良すぎるため、困ることがあります。指が触れただけで、作成中のメールが送信されてしまい変換が間違ったままで送られてしまうのです。最近ではこのような間違いメールが面白いと、本になって出版されています。例えば、お母さんから風邪をひいている子どもに送ったメールで「暖かくしてね」を「暖かく死ね」とか、「今日、喧嘩した?」を「狂犬化した?」。仕事で取引先に「添付の資料」を、「添付の死霊」。彼氏が彼女に送ったメールで「僕と海に行こう」を「木刀見に行こう」とか「一緒に住もう」を「一緒に相撲」。それに対する彼女からの返信「どすこい」。このようにそれが間違いとわかっていて、絶妙な返信をするやりとりなども集められていて、実にほっこりして笑ってしまいます。けれど、これも一つ間違えると大変な失礼となり、誤解をまねいてしまうので、気をつけなくてはなりませんね。
こんなふうにメールでやりとりをするのが当たり前のこの頃ですが、母は時々電話をかけてきて、「メールだけでは様子がわからないから、たまには声を聞かせて欲しい」と言います。五十歳も過ぎた娘の声が聞きたいだなんて。いくつになっても、娘のことは気にかかるのでしょうか?親とは本当にありがたいものですね。
あたたかや父のメールはひらがなで
平尾美緒
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