トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 高校に入る前に親がしてはいけない82のこと 第3章 学校生活・勉強のタブー(45)
教育クリエイター 秋田洋和論集
検定試験や模擬試験の申し込みは全部やってあげている
世のなかには「いつまでも子どもの世話をするのが親の役割」と勘違いしているかたがいるようです。
日常的な家事(部屋の掃除や整理、自分の洗濯物をしまうなど)はおろか、学校で配布されたプリント類の整理や実技教科の宿題にいたるまで、親が代わりにやっているという声を聞いたことがあります。
しかも、「子どもがやらないから仕方なく」ではなく、親が「喜んでやっている」ようです。面倒なことをすべて親が引き受けてやっていると、子どもは親にやってもらうのが当たり前という関係にどっぷりと浸かって動けなくなってしまいます。
これがエスカレートすると、どうなるでしょうか。「高校入試や大学入試にも親がついてくる」「卒業論文やレポートを書いてやる」「会社説明会に親が出席する」など、にわかには信じがたい話まで出てきます。
学校の面談や病院の診察などで子ども自身が意見を求められたとき、
じっと母親の顔を見て、「代わりに言ってくれ!」と目で訴える
場面に心当たりはありませんか。
これがサインです。こんな傾向に気がついたら、少しずつできることから、
自分のことは自分でやらせる
ことを始めましょう。そして、
自分の気持ちや自分の意見は、自分が口に出して言う
習慣を付けさせる。これを今から、親の側から始めてください。
家のことはもちろん、自分が受ける英検や漢検などの検定試験、模擬試験などの申し込みは、本人にやらせましょう。これらは、本来なら子ども自身が望んで受けようと思ったものです。それを親が「勉強だけしていればいいのよ」と肩代わりするのは疑問です。大人になったときに「旅行に行きたい。でもパスポートの準備やチケットの手配は面倒だから、誰かに任せよう」という考えで、果たして通用するでしょうか。
世のなかには、さまざまな手続きを踏まえなければ得られないサービスや権利が数多く存在します。その流れを学ぶよい機会、社会経験の一つを積む第一歩になるのです。
「高校に入る前に親がしてはいけない82のこと」(PHP文庫)秋田洋和より