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文芸広場
俳句・詩・小説・エッセイ等あなたの想いや作品をお寄せください。
新着記事
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- 酒(主)の祈り(2023年01月20日)
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〈自分のことのように他人を愛せ〉 聖書の言葉は難しいです 性別のよく分からない解説者が言います 〈まず自分を愛せ。自分が愛せないのにどうして他人が愛せるか〉 やはり分からないので 試しに身近な所から始めようと犬の頭を撫でました 犬は目を細めて嬉しいと言った 猫でも同じである でもコレが通じるのは犬猫と幼児の場合である 大人には通じない 特…
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- 冬椿(2023年01月05日)
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赤い花が見えないほど咲いている 散り敷いた花弁が足下まで血のように赤く 夕日に佇む姿は戦を終えた人の姿に似ていた 人はみな同じではないのに 花は何故同じものを何百も咲かすのだろう 見かけは似ていても人の心はみな違うように 一つの木から生まれた花でも違うのだろうか 誰かに伝えたいこと 為すべき何か この世に生まれたものには何か意味があるはずであ…
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- 今が幸せ(2022年12月21日)
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不快なこと 汚いゴミはつまんで捨て 楽しいこと 美しいことを探す 川底の黒い砂を何度もザルで漉すと一粒の砂金が光る 探すと見つかるものがあります ミケランジェロは石の中の女神を見た 円空は捨て木の中にも仏を見た 遠くに行かずとも私にも日常空間で隠れているものはないか と改めて探した ある ある いる いる 1 朝風呂に入る 今はどこも痛く…
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- コミュニケーション(2022年12月09日)
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誰かに伝えたいことがあります 誰か人話したいことがあります 相手が遠いところにいる場合は手紙があります 手紙の問題は双方が別の時間帯にいることです 書いている人が泣いていても 相手の方はTVをみて笑っています 数日後その手紙をみて 「私がいる。心配するな」と返事を書いているとき 書いた人は寝ています 江戸時代 遠い異国から「日本恋しや ゆか…
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- お星さま(2022年11月21日)
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星の世界は人間に似て階級があります 一番明るい星は一等星で21ケ 階級が一つ下がる毎に星の明るさは2.5倍増え 六等星までの数は全天で5500ケ(役2.500ケ)もあります あとはその他大勢の見えない星ですが 太陽と似た星はこの銀河だけで2000億ケ在るそうです 階級は見えない星の世界へ七等星、八等星と続きます 私は八等星くらいかしら と調べま…
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- 幻笑童女(2022年11月08日)
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一枚の石仏の写真に目が止まった 二体の年号は元文、文化(280年前と220年前) 一体は幻笑童女と読めた 古い寺にはこのような無縁仏がある 荒寺の片隅に寄せられた石があった そこに暁夢童子と刻まれた石を見たことがある 今も昔も虫よりも短い時を生き消えた命がある 幼くしてこの世を去った者たちの意味は何か 病のために死んだのではなく殺された命さえ…
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- 日々良好(2022年10月25日)
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汝らの中に思ひ煩ひて身の長一尺を加え得んや マタイ伝 6127 その通りです(然り アーメン) 高齢者の私は伸びるどころか縮みはじめています この世界は私に出来ないことばかりです 西に奇病で痛がっている子供がいても 東に無実の人が牢獄にいても 南にのどが渇いている人がいても 北に暴漢に襲われ悲鳴が聞こえても 雲乗り白馬に跨り駆けつけることは…
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- 静止画(2022年10月08日)
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親しい人と話していると時間は短い 一時間でも二時間でも 「阿ッ」と言う間に過ぎてしまうのに 交通渋滞時の信号待ちは長い 三分は三時間に感じる そして関心のない演説は十分でも一時間以上ある 耐えている一時間は永遠に近い 浦島太郎の竜宮での滞在時間は三日間だが 元の日常世界に帰ってみると三十年過ぎていたという 竜宮での一日は短いが病院の一日は長い…
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- 一枚の絵(2022年09月27日)
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忘れられない一枚の絵があります 一枚はキリストの亡骸を抱いている女性の絵 ミケランジェロが描いた「ピエタ」~悲しみ~の絵です この世には在ってはならないことがあります 母が子を失った悲しみ それはあ世を超えた人類の悲しみです 毎日世界中どこかで悲惨な死があります 一枚の絵は継父に食を絶たれ謝罪しながら死んだ少女の笑顔です その亡くなる前の少女の…
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- 木の葉の手紙(2022年09月10日)
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銀杏の木の下で立ち止まった 声がしたのである 声は地を埋め尽くした落ち葉からだった …言いたくても言えないのです… …伝えたくても伝えられない場合があるのです… …今は話す時ではないと思う時があります… 〈どのような神がいて どのような神がいないのか〉 〈この世界に自分がいた意味はあるのか〉等々 在るのか無いのか〇か×では答えられない問題があ…