文芸広場
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「早く手紙を下さい。手紙が来ないと泣きだすほど気にかかる」
川端康成の初恋が明らかになりました。
十五歳の伊藤初代に恋をして結婚を約束したのに、ある非常がある為と結婚を断られたのです。
ある非常とはどんな事なのでしょう。そんな簡単な言葉で初代はどうして婚約を断ったのでしょうか。いえ、初代にとっては苦しく、切なく、相手を想い、この言葉になったのでしょう。
川端康成はどうしてそこで諦めたか、非常とは何かを詮索しなかったのか、許される非常かもしれません。許されぬ非常だったにせよ、自分も納得した上で考えればよかったのではないでしょうか。普通ではないという事はわかります。結婚を断る位ですから、女として愛している人とこのまま結婚できないと思ったのでしょう。
この非常という言葉。いろいろ想像して私の頭の中を巡り廻っています。
その後、初代は二度結婚をして四十四歳という若さでこの世を去っています。
三男の桜井靖郎さんは初代の事を「苦労の多い人生だった」と話していますが、桜井さんの胸中はいかがなものだったのでしょうか。
逢いたさに つのる寂しさ ラブレター