文芸広場
俳句・詩・小説・エッセイ等あなたの想いや作品をお寄せください。
スフィンクスより不思議なものは自分が今此処にいることです
三葉虫でもイグアナでもない人のカタチで
今 この場にいる不思議
オンリーワンなのに何も特色が無い不思議 唯我独空
私をみている 飼い犬の 金魚の 昆虫の 二つの目
見渡すとそんな様々な自分がいる不思議
百年前の人の怒り
千年前の人の悲しみ
千六百年前の土偶の頬笑み
そして人間以外の様々な生き物の中にも私がいる不思議
この世界は不思議だらけ
それは何故在るのか 何故無いのか
問いはあるが 答えはない
人の世の後半私は七不思議以上のものに遭遇しました
この世界には答えが要らないものがあることです
今朝咲いたばかりの野の花の心
夏の夕暮れ時の香しい月見草の色
母と腕の中の子の語らい
久しぶりの友からの音信
人のささやかな心使い 善意
思わず笑いがこみ上げること
日々の散歩を待っている犬の心
エサ時足音で寄ってくる金魚たちの心
私はそんなものに囲まれて生きています
山上村人