トップページ ≫ 社会 ≫ 中道の退潮、この世界共通の流れから脱却せよ
社会
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政治における保守と革新、この二項に属さない中道の存在感が希薄になって久しい。現メルケル首相のもとで中道的政策、同性婚の合法化や賃金制度の改定等を次々実現してきたドイツにおいてさえシリアからの移民問題などに端を発して、政治的流れは大きく変化しつつある。その根底には多くの人々が自らを労働者階級だという共通認識を感じられなくなっていることがあるという。例をあげれば同じ企業内でも身分保障が比較的優遇されている正社員と不安定な立場におかれている派遣労働者ではその境遇が大きく異なるからである。またそうした社会的階層にとらわれないSNSを通じた直接参加型民主主義的な意見開示の機会を個人が得たことにより、旧来の意味での階層にリアリティーを感じ取れなくなっている側面もあろう。
日本においても一層保守化が進む与党自民党、またその対抗勢力であるべき野党全般の双方から中道的政策は姿を消しつつある。政治的に結集すること自体が難しい社会的弱者層に対して、保守を自任する政党にこそ中道的政策、言い換えれば声なき声を掬い上げようとする柔軟な政治姿勢が求められている。
現実政治において今後とも実践主義的、プラグマティカルな中道の精神は絶えることなく求められ続けるものだと思う。与党の対立軸として野党には第二自民党のような保守補完勢力ではなく、社会の結節点を紡ぎだせるような是々非々精神を持ち合わせた政治勢力が望ましい。
近い将来、野党の合従連衡は必ず起きるであろう。筆者はその時に中道という政治姿勢は大変重要なキーワードになると考えている。
小松 隆
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