トップページ ≫ 社会 ≫ 時代が求める、プラスチック製品使用量削減の必要性
社会
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マイクロプラスチック、海へ流れ込んだ廃棄プラスチックが砕かれ、細かな破片となったもののことである。細かくなることで表面積が大きくなり、有害物質を取込みやすい状態になる。実際に魚・海鳥・そして人からもこの粒子状態のプラスチックが見つかっている。海中プラスチックごみの7~8割が川からの流入と想定され、量の順位はPETボトル・食品容器・生活用品・ポリ袋と続く。日本においては容器包装リサイクル法が施行されており、リサイクル率は84%と発表されている。但しその内の4割は中国で処理されており、かつ昨年末に中国自体も自国での排出量が増えてきたことを理由に受け入れ中止を表明、法自体の今後の継続的実効性に疑義が呈されている状況である。日本においてはごみの減量方法として3Rを推進して現在に至っている。(3R:①リデュース(削減)②リユース(再利用)③リサイクル(循環利用)のこと。)しかし実際の所リサイクル偏重型であり、他の政策は積極的に進められてきたとは言い難い。またリサイクルの対象が容器包装だけでは根本的なごみ減量対策にそもそもなっているのかという疑問もある。
プラスチック製品が、これほどまで大量に使用され続けている背景には当然利便性・経済性等の我々が享受してきたメリットも数多い。しかし大量消費のデメリットが大きくクローズアップされた以上、もはや昨日までと同じ使用方法は許されまい。経済的な観点も含めると、社会的コンセンサスを経て、バイオマスプラスチック、生分解性プラスチック利用への質的転換を図る事で、プラスチック製品が半永久的に分解されないというそもそもの問題状況を解決する有力な手段になり得るであろう。こうした革新的製品の開発は社会の要請としても本当に待たれているところである。
社会政策としても個人の自発性、善意に任せるのではなく、経済的インセンティブを設ける等の現実的施策も必要となろう。世間の注目を大きく集める今だからこそ、抜本的対策についての議論の深化を進めたい。
小松 隆