文芸広場
俳句・詩・小説・エッセイ等あなたの想いや作品をお寄せください。
いっぴきの狐がボンヤリと遠い空の彼方をみている
狐は知っているのだ
ほんとうの空はみな虚空だということを
狐のまわりはすすきが銀色の波をうっている
このすすきの丘はもう何千年もの昔からあきもせず
同じ風景を彩り造ってきた
狐もまた何千年もの昔から
この丘に立ちすくんでいると思っていた
それにしても仲間はみなどこかへいなくなって誰ひとり姿はなかった
ただ空も丘も変わらないだけだ
この変わらぬ丘を人々はいつのまにか「孤丘」と呼んでいた
ある時狐は知らぬ間に銀髪の老人となった
そして「孤丘」という茶店の亭主となっていた
みんな昔のことはおとぎばなしです
亭主は口ぐせのように来る客々に語り続けていた
つくば林太郎
バックナンバー
新着ニュース
- 地方議員たちの議会発言を吟味する(2025年09月01日)
- 浦和まつり 第30回音楽パレード 第49回浦和おどり(2025年08月24日)
- 痩せるための糖尿病治療注射は危険(2025年08月29日)
- 二院制はどうなったのか(2025年01月10日)
アクセスランキング
特別企画PR