トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 品格ある子どもの育て方第一章 「品格のある子ども」ってどんな子?(5)
教育クリエイター 秋田洋和論集
自分で判断して自己管理できる子どもにする
~中学生としての品格を見る学校がある~
私は、関東の進学塾で数学講師として長く中学生を指導してきました。一口に高校受験と言っても、昔よりは細分化され、内申書重視の公立、学力重視の公立、人間性を見る私立、学力重視の私立などと、学校ごとの特徴が明確になっています。
そんな中で、かつて「中学生としての品格を見たい」と語った学校がありました。特定することはここでは避けることにしますが、この学校は非常に人気のある私立で、1次試験として、中学生としてはかなり難しい筆記試験を実施します。
そして1次試験に合格した者のみを対象として、2次試験として面接を課すのです。その面接の内容について質問があったときの、学校からの返答が、実はこの「中学生としての品格を見たい」だったのです。
その話を聞いてから、私はいつも保護者会で「中学生としての品格」について話すようになりました。
「横綱の品格って言うでしょ、簡単に言えば中学生として横綱にならなければならないということ。横綱は強いだけではなれませんよね、みなさんのお子さんも同じです。とにかく点を取ればいいんだろ、勉強ができればいいんだろ、ではダメということです」
読者のみなさんには、すでに子どもの品格とは何かという大枠はお伝えしました。同じようなことを保護者にお話ししても、特に視野が狭くなっている方にはイメージが湧かないようです。
「こんなに難しい問題がスラスラ解けても、人間味がゼロでは……」ということすらわかってもらえないこともあるのです。だから、保護者会が終わった後で、毎年必ずこんな質問に出会います。
「テストで点を取らなければいけない、というのは当然ですが、それ以外に合格するための秘訣ってありますか?」
「品格ある子どもの育て方(PHP文庫) 秋田洋和著」より