トップページ ≫ 地域情報 ≫ 咲いたまびと ≫ 心癒す吊るし雛 ~一針一針に思いを込めて~
地域情報 …咲いたまびと
どれだけの時間と思いを縫い合わせるのだろう。
鮮やかな絹の布を一針一針丁寧に縫い合わせながら、雛達に魂を吹き込む。
一年をかけて作る作品には、それぞれの思いや願いが込められている。
作る人によって一つ一つ表情を変える雛達は、見る人を魅了し、心を和ませてくれる。
上田良子先生は、20年前の温泉旅行先で吊るし雛に出会い教室を開催。
今ではパートナーの亀山悦子先生と二人三脚で18人の生徒さんを教える。
多くの生徒さんが卒業し、それぞれの場で吊るし雛を広めている。
教室は作品作りを通じて、人と人との心の繋がりを大切に月3回開催。
多くの人に体験してもらいたと、教室は材料費込の2500円。
毎年作る干支の置物は他にはない愛らしさで大好評。
生徒さんの最高年齢者は85歳で、毎月欠かさず、楽しみに通ってくれるというのだからすごい。
「憩いの場」として生徒さんが集まり、楽しく話しながら時間を共有できるのがうれしいのだと上田先生は語る。
教室ではひな祭りに合わせて年に一度、期間限定で吊るし雛を展示。
間近で見られる迫力を味わいたいと多くの人が足を運ぶ。
皆で一輪ずつ作った八十八の桜には、元気に八十八歳まで針仕事ができるようにという思いが込められている。
作品一つ一つの向こう側にそれぞれの人生と笑顔が見えてくる。
女性として、妻として、母として、人生を謳歌する上田先生の周りにはたくさんの笑顔が存在する。
まるで温かく優しい空間を作る魔術師のようだ。
(馬渕 凜子)
連絡先
さいたま市浦和区領家5-5-4
℡番号048(886)7220