トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 中学校に入る前に親がしてはいけない80のこと 第3章 勉強のタブー(53)
教育クリエイター 秋田洋和論集
成績アップをしてもらうために塾に通わせようとしている
やはり塾に通わせる必要性を感じる家庭が多いのか、小学校高学年になると、塾に通う子どもが増えてきます。これが中学生になると通塾率はさらにアップし、塾の選択肢も増えます。その分、
この塾は合わないから、次のところで頑張ろう
という切り換えがしやすいものです。転塾することで成績が見違えるように伸びる子も多いのですが、いっぽうで、短いサイクルで転塾を繰り返す家庭も増えています。
この「転塾過多」の家庭には共通の特徴があります。それは、
「次のテストですぐに成績を上げてほしい」
という要望が強いことなのです。
考えてください。たとえば高校入試に向けて勉強する場合、「○○高校に入りたい」
という気持ちが強ければ強いほど、子どもは勉強に身を入れるものです。さらに「そこに入りたい」というだけでなく、「あの高校で○○がしたい」と具体的にやりたいことや目標があると、一段とエネルギーが出ます。塾は、そのような将来の目標達成をサポートする存在として活用することができます。
ところが塾には、「将来の目標達成のために自分の力を伸ばそう」よりも「成績を上げてもらおう」という受け身の姿勢でやってくる親子がけっこういるものです。
成績は上げてもらうものではなく、自分で上げるものです。
前向きなエネルギーをもたずに塾に通い続けても、効果が出るはずはありません。
子ども自身がこの考え方を理解するのは、かなりハードルが高いことです。だからこそ親が伝える必要があるのですが、その肝心の親が、
「お金を払っているのだから、やってもらうのが当たり前」
というスタンスでは、よい結果には結びつきません。
もちろん、塾側がやるべきことを怠っているのであれば見切りをつけるのは当然です。しかし塾は「成績を上げる特効薬」を売っているわけではありませんし、良心的な塾であればあるほど、子どもを一から鍛えなおそうとしますから、すぐに成績は上がらないものと思っておきましょう。
「中学校に入る前に親がしてはいけない80のこと」(PHP文庫) 秋田洋和より
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