トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 中学校に入る前に親がしてはいけない80のこと 第3章 勉強のタブー(50)
教育クリエイター 秋田洋和論集
理科は自分も苦手だったから子どももできなくていい、と諦めている
ずいぶん前になりますが
小学生の四割は「太陽が地球の周囲を回っている」と思っている
というセンセーショナルな見出しの新聞記事を読んだことがあります。長野県と北海道の小学生を対象にした調査結果についての記事でしたが、子どもたちの「理科離れ」の深刻さがよくわかりますね。
日本という国は、資源をもっていない分だけ「頭脳」で闘っていくしかありません。とくに理科は、国の科学技術力の源です。つまり、国の「頭脳」の源です。
子どもたちが「理科や算数が大好き」と言ってくれないと、日本は滅ぶ。
数学の講師として子どもたちに向かい合うとき、私は真剣にそう思っています。
皆さんはどのようにお考えでしょうか。
子どもが理科を苦手とする場合、親の役割は重要です。理科には、物理・化学・生物・地学の四つの分野がありますが、「好き」にはなれなくても、どれか一つくらい「きらいじゃない」ものがあるはずです。「電気なんてちっとも面白いと思わないけど生き物を育てるのは好き」だとか、水溶液はちんぷんかんかんだけど、地層や火山には興味をもっている」など。ほかにも、天気なら身近な分だけ興味がわくかもしれませんし、心臓や肝臓といった身体のしくみならなじみがあるものです。
何か一つでいいから、理科を好きになるきっかけをみつけさせること。
小学生は、これが見つかるだけで激変します。これが親の仕事です。
ノーベル医学・生理学賞を受賞された山中伸弥教授を紹介します。
「若い優秀な人が化学技術を志してくれないと話にならない。iPS細胞だけ見ていてもこんなのは数年で終わるものではなくて、五年、十年、二十年とどんどん続いていくものです。そのときに支えてくれる人はいまの大学生であったり、高校生であったり、もっといえば小学生であったりするわけです。優秀な子どもたちが、どうしたら化学技術に入ってきてくれるのだろうか」
そのきっかけを作るのは我々親ではありませんか?
「中学校に入る前に親がしてはいけない80のこと」(PHP文庫) 秋田洋和より
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