トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 中学校に入る前に親がしてはいけない80のこと 第3章 勉強のタブー(45)
教育クリエイター 秋田洋和論集
参考書や問題集を選んであげている
中学校の勉強で大切なことの一つが、参考書、問題集選びです。「入学前にそろえておこう!」と今から燃えているかたもいるのではないでしょうか。
書店の参考書売り場をのぞくと、数多くの種類の参考書・問題集が並んでいます。厚さ、色づかい、文字の大きさ、本のサイズ、対象とするレベル・・・・とにかくたくさん選択肢があって、どれを選んだらいいのか迷ってしまいます。
そんななかから「自分にピッタリ合った一冊」に出会えることは、もしかするとものすごくラッキーなのかもしれません。
それほど難しい参考書・問題集選びなのですが、子どもの普段着を買ってくるような感覚で「選んで買ってきてあげる」親が増えているように思えます。
「お勧めの参考書を教えてください」と聞かれることがよくあるのですが、本当に返事に困ってしまいます。その子の特徴を把握していないと答えられないからです。
たとえば、数学の文章題。皆さんは一読しただけで情報が頭のなかに入ってきますか?私は小・中学校時代、そんなことはできませんでした。文章を読んだだけでは情報が整理できないから、絵や図、表など視覚に頼るしかなかった子どもでした。
ですから、参考書や問題集も図や表がたくさん載っているものが好きでした。文字は少な目で、色は多いほうが理想。白黒で文字ばかりの参考書だと、私ならそのうち開かなくなります。
対して、文字を読むことが好きでとにかく情報量が多いほうが嬉しい、という子どももいるでしょう。
だから「お勧めの参考書は?」と聞かれても、不用意に答えられないのです。「私に合った参考書」はあるが、あなたに合っているかどうかは自身で確認してください、と答える他はないからです。
お母さんが買ってくる参考書は、そのほとんどが「お母さんにとって使いやすいもの」です。お母さんがよかれと思って買い与えても、どうせ本棚のこやしになってしまうだけ。子どもと一緒に書店に行き、本人に選ばせるほうが効果的です。
「中学校に入る前に親がしてはいけない80のこと」(PHP文庫) 秋田洋和より
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