文芸広場
俳句・詩・小説・エッセイ等あなたの想いや作品をお寄せください。
病院の待合室ほど嫌なものはない。
待つ時間の長さは言うまでもないが、座った途端、多くの視線が突き刺さる。
わたしの友人は検査のため、ガンセンターへ行った。
検査の結果は、嬉しい事に勿論、何でもなかったのだが・・・。
しかし、待合室で四方八方からの視線を浴びたそうだ。
「若いのにかわいそうに・・・」らしき多くの視線に
「わたしは検査だけです」と思わず叫びたいくらいだと話していた。
「じゃ、検査のみ、同情いらず。と名札でもつけて行ったら」とすかさず
わたしも答えたものだ。
とまあ、わたしの冗談はさておき、
そんなに多くの同情の視線を浴びせられたら、それだけで免疫力が下がりそうである。「病は気から」なのだ。
そこで提案。
病院も美容院のように、カラフルな雑誌を並べる。
本棚には、短編小説やミステリー小説、恋愛小説なんかもいい。
BGMには心和むクラシックやジャズ。
テレビの画像には海や山の景色が映し出される。
コーヒーを一杯飲みながら順番を待つ。
心地よい音色が奏でる待合室で優雅に時を過ごす。
そんな待合室だったら相手のことなどおかまいなしだ。
きっと免疫力もアップし、病院に行くという憂鬱な気持ちを少しでも解消できるかもしれない。
わたしであれば穏やかな詩の作品がひとつくらいできてしまうかも!?
今日も退屈で陰気な待合室で、素敵な待合室を夢見ながら千思万考している。
ようやく名前が呼ばれたようなので席をたつ。
ただの検査のみなので同情はいらず・・・!(笑)