文芸広場
俳句・詩・小説・エッセイ等あなたの想いや作品をお寄せください。
白木蓮の根元に暗緑色の下草がある
夕方白い紙くずのようなものが見えたので
屈んだら「龍のヒゲ」の小さな花だった
時を同じくして庭の片隅に
誰の目にも止まるのが今が盛りの白百合だ
同じ人の世にも祝福に大勢集まる婚礼があり
二人だけの婚礼もある
訃報が届き大勢集まる葬儀もあるが
誰も呼ぶ人はいない病院で息を引き取る人もいる
どんな人生にも
「生きてきていて良かった」と言う時がある
…星が金の砂を落としていた 母の腕の中の記憶…
…夜中に起きて飲んだ水が美味しかった…
…電車で笑顔で席を譲ってくれた人に出逢った…
…雪の夜私は暖かい布団で寝ている…
季節の大半をグランドカバーで過ごす龍のヒゲだが
晩秋から初冬青い宝石のような実をつける
どんな生き物でも「今在る」意味がある
「人はみな草なり」
小さな実は誰かへの感謝の印です
山上村人
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