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コラム …埼玉の余話
久しぶりに恋人を見つけた
年齢はどうでもいい。冷房の効いた茶房でその人は1年のうち200日は同じテーブルで同じコーヒーを飲んでいた。そして決まって若山牧水あたりの歌集とにらめっこをしていた。にらめっこと言ってしまえばそれまでだが、活字を追うしぐさが何とも艶っぽかった。そういえば昭和の初期、住友財閥の大宰頭川田順は70歳を過ぎて美しき歌人と激しい恋に落ちた。老いらくの恋と世間は騒いだ。「老いらくの恋」かっこいいではないか。今の政治家には求めるべきもない。私はこの3年ずっと同じ茶房にいりびたり夢を追っていて五輪真弓の恋人よそばにいての歌詞をうかべては恋心を静かに燃やしていた。
鹿島修太
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