コラム …埼玉の余話
前特別秘書が亡くなっていた。人知れず自らの命を絶ったのだ。使命感の強い男だった。市議4期務め、議長もやり、県の連合、PTA会長もやった。人懐っこい笑顔で誰とでも平らに付き合った。それでいて他の人間関係を鋭く見抜いていた。情報収集能力もたけていた。時に非情だ。時に慈しみの心で人と接していた姿は勉強になった。色々なことが囁かれたが、この男のことを詮索するのはしのびない。せめて合掌してこの好漢の旅立ちを祈ろう。晩秋の彼方で、彼が悲しげにほほえんでいる姿が浮かんでは消えていく。秘書はつくづく悲しいものなのだ。
鹿島修太
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