トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 高校に入る前に親がしてはいけない82のこと 第2章 生活習慣のタブー(30)
教育クリエイター 秋田洋和論集
子どもが部屋にカギをかけるのは当たり前だと思う
思春期の子どもがほぼ必ずやろうとする行為に、「部屋にカギをかけて、外から誰も入れないようにする」ことがあります。皆さんにも思い当たることはありませんか。この「カギをかける」行為は、
子どもにとって、健全な成長の一過程
と、とらえることができます。
とはいえ「成長の証だから、放っておこう」と見て見ぬふりをすることには賛成できません。「成長の一過程」だからこそ、彼らが何を考え、何をやっているのか、最低限の管理は必要です。
このとき、子どもを詮索しようとしたり、部屋で何か悪いことや不健全なことをしているのではないかと疑ってかかったりすると、子どもは不信感をもち、カギをかけたくなる気持ちがさらに加速するでしょう。ですから、子どもに対する信頼感をベースにもっていなければなりません。子どもを信じる親の気持ちが伝われば、「カギをかけてもかけなくても、何も変わらない」ということを子どもは理解するでしょう。
カギをかけだしたときに親が気をつけておきたいのは、「子どもの人間関係」です。この行為は「他人との距離感の取り方」を意識しはじめた証拠で、親との距離を測る、つまり親離れが始まるようになります。ですから、友人やクラスメートに対しても、接し方が敏感になってきます。小学生の頃には何でもなかったことでも、
「ひどいことをされた」「ひどいことを言われた」
と感じたり、こちらに悪気はないのに、
「相手が傷ついた」「相手が怒った」
などという出来事が起こります。この時期の人間関係に摩擦が生じると、子どもたちは大きなストレスを抱えることになります。
だからこそ、親は食事のときや、学校へ向かうときの足取りなど、子どもの様子を注意深く観察してください。もしも何か気づいたことがあれば、直接子どもに言うよりも、学校の先生に相談してみるのも一法です。
「高校に入る前に親がしてはいけない82のこと」(PHP文庫)秋田洋和より
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