トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 中学校に入る前に親がしてはいけない80のこと 第3章 勉強のタブー(36)
教育クリエイター 秋田洋和論集
~うちの子はまったく勉強しないとカリカリしている~
中学校から大事になるのが、家庭学習の習慣です。小学校に比べると科目数や授業時間が増えるうちに、部活や学校行事など勉強以外にやるべきことも多くなります。そんななか、どうやって日々の勉強時間を確保するのか、親にとっては心配の種です。
私はよく、中学生の親御さんからこんな相談を受けます。
「うちの子は家でまったく勉強しないんです。部屋では携帯をいじっているか寝ているかのどっちか。何度言っても同じなので苛立ってしまいます」
私が「授業中はしっかりやっていますし、復習もやってきています。私が見ている限り勉強不足ということはありません。成績も上がってきましたよ」などと言うと、ほぼ必ずと言っていいほど、こんな言葉が返ってきます。
「私が中学生の頃は、いつでもダラダラすることはありませんでした。時間がきたら自分でテレビを消して勉強しにいったものです。本当にけじめがなくて。どうしてちゃんと切り替えができないのかしら」
皆さんにも心あたりがありませんか? このセリフの背景には、親が思い描く「ちゃんと勉強する子どものイメージ」に当てはまらない子どもへのもどかしさがあります。逆に言えば子どもが「ちゃんと机に向かって勉強するいい子」の姿をみせてさえいれば、勉強の中身や成果に関係なく親の精神的安定は保たれるわけです。
中学生にもなれば、子どもは必要以上に親と摩擦を生じさせないように「とりあえず勉強しているフリをする」ことができるようになります。親の小言が多ければ多いほど、「怒られないように形だけ机に向かう」ようになり、「演じることは上手でもなんの中身も備わっていない」子どもになってしまいます。小学生の今から、小言は控えるようにしましょう。
机に向かう時間と、学びを定着させる時間は、別のものです。
子どもが学ぶことを楽しむようになる、そんな言葉かけを今のうちからしてやることのほうが大切です。
「中学校に入ったらもっと大変になるんだから、ちゃんと勉強しなさい!」ではこれから始まる中学校生活に希望がもてません。
中学校に入る前に親がしてはいけない80のこと」(PHP文庫) 秋田洋和より
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