トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 中学校に入る前に親がしてはいけない80のこと 第3章 勉強のタブー(40)
教育クリエイター 秋田洋和論集
~「ちゃんと勉強しないからできないんでしょ!」と叱っている~
小学校と中学校とでは、勉強の重みはずいぶん違うものです。小学校に比べて中学校の学習内容は深まり、テスト結果が成績にもより反映されます。そのため、
「ちゃんと勉強しなさい!」
「テスト準備はできてるの?」
など、つい口出しをしてしまいがちです。「授業はわかる?」と毎日しつこく確認したり、テストの出来はどうだったのか根堀り葉堀り聞いてみたり、点数を聞いて喜んだり怒ったり。子ども以上に大騒ぎするお母さんはけっして珍しくありません。
とくに、お母さんがイライラしながら、
「ちゃんと勉強しないからいつもできないんでしょ。遊んでばかりいないで、毎日ちゃんとやりなさい!」
とお説教するケースが多いのですが、なんの効力もないようです。子どもが勉強に身を入れないのは、お母さんの言葉を借りれば「ちゃんとやる」のがどういうことかわかっていないからです。
そもそもお母さんも、勉強を「ちゃんとやる」方法がどういうものか、理解しているでしょうか。具体的に説明ができないのに、ただ「ちゃんとやりなさい!」「とにかく勉強しなさい!」と漠然と叱っているのは、一見教育熱心に見えますが、実は親の責任を放棄しているといっても過言ではありません。
「ちゃんと洋服をたたみなさい」
「ちゃんと明日の準備をしなさい」
という生活習慣の指導をするなら、お母さんはプロ中のプロでしょう。しかし勉強に関して言えば、そろそろ口出しを控え、プロである先生にまかせるのが懸命です。
こと勉強に関して言えば、漠然とした注意をすると、子どもを混乱させるだけになってしまいます。
「お母さんは何もわかっていないくせに、とにかくうるさい」
と子どもに愛想をつかされる前に、叱り方を見直してみませんか。
中学校に入る前に親がしてはいけない80のこと」(PHP文庫) 秋田洋和より
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