トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 高校入試対策:「数学」を制する者が高校入試を制する
教育クリエイター 秋田洋和論集
④数学を克服するために必要な視点
皆さんは,自分の子どもに「どうして数学を勉強しなければならないの?」と聞かれたときにどのように答えますか。「入試で必要だから」と答える生徒の比率は決して低くありません(保護者にもけっこう多い)。そして最善の勉強方法について聞くと,「試験範囲を何度も何度もチェックして,出来る限りミスをしないこと」だと,まじめに答える生徒も毎年必ずいるのです。
このような「点数を取るための努力が勉強」と勘違いしている生徒の場合,往々にして
「(範囲のある)定期テストだと大丈夫だけど,(範囲のない)実力テストになると弱い」
「一度習ったパターン問題だと解けるけれど,自分でヒントを見つけたり今まで習った知識を組み合わせて解く発展問題は弱い」
といった共通の傾向があります。そして,この10年あまりの間に(つまり「ゆとり世代」の教育を受けている世代に),私の周辺でも大量に登場していることをお伝えしなければなりません。
定期テスト前に,懸命に試験範囲を丸暗記して準備する習慣が身についてしまえば,「覚えることが勉強」だと誤解することは無理もありません。その結果,問題文を一読して自分に理解ができなければそこで手が止まり思考停止に陥るのです。ましてや新課程,教科書の内容は格段に多く難しくなっています。数学については,すべてを覚えようとするのではなく,覚えた事柄をタイミングよく活用することを意識した勉強に切り替えていくことをお勧めします。わかりやすく言えば,入試頻出の公式やテクニックをたくさん覚えて試験に臨んでも,その公式が成り立つ背景を自力で説明できなければ通用しない,ということなのです。 (おわり)