トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 高校入試対策:「数学」を制する者が高校入試を制する
教育クリエイター 秋田洋和論集
皆さんは「公立高校入試の数学の問題」と聞けばどのような印象をお持ちでしょうか。我々保護者世代だと「定期テストと同じくらいのレベル」「塾に行かなくても教科書をしっかり勉強すれば大丈夫」といった声が挙がることでしょう。確かに昔はそうだったのですが,現在の入試問題のレベルは必ずしも皆さんのイメージ通りとは限らないのです。
①試験中に生徒が泣き出す(?)ほど難しい地域もある
今春(H24),新聞報道などで注目されたのが長野県です。長野県教職員組合が,今春行われた長野県の公立高校入試において,数学の問題が全体を通して過去にない難解な問題だったとして,県教育委員会に抗議する異例の声明を発表しました。県教組によると,数学の試験が全体的に難解であったため,試験中から多くの生徒たちが動揺しており,調査によると試験会場や廊下で泣き出す生徒が複数見られたほか,他の教科にも影響したとの報告が生徒たちから寄せられたというのです。
実際の難易度はどうであったのか,私も問題を解いてみました。その結果「指導要領を逸脱しているとは思えないが,教科書レベルを超えた問題が多数出題されていることは事実。50分という制限時間の中で一定の得点を得るには,それなりのレベルの類題を事前に解いていないとつらいだろう」と考えます。今回の出題レベルが長野県において今後スタンダードになるとするならば,普段の授業で扱う問題のレベルを上げない限り,塾に通う生徒とそうでない生徒の差が広がることが容易に予想されます。
ちなみに,長野県教育委員会が発表した平均点は,なんと30.12点(100点満点)でした。では,埼玉県はどのような状況なのでしょうか。 (つづく)
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