トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 高校入試対策:「数学」を制する者が高校入試を制する
教育クリエイター 秋田洋和論集
③中学生の親が知っておきたい「いまどきの高校入試」
埼玉県や長野県など,高校入試において数学の平均点が低くなっている背景として,「脱ゆとり」の影響を無視するわけにはいきません。埼玉の場合には「証明など記述の配点が高い」ことが要因になりますが,「なぜ記述を重視するのか」の背景にはもちろん新課程が見え隠れしているのです。
そのため,これまで一般的に公立高校の入試対策として考えられてきた「難易度が高くないので『減点勝負』,ミスしないような勉強をすればよい」という「これまでの常識」が,数学においては通用しなくなっていることを理解しておかなければなりません。
「これまでの常識」が作り出されてきた理由には,トップレベル校から学力困難校と呼ばれるところまでが同一の問題を使用する地域が全国的に多数あることで,現実には難しい問題を出題しにくくなっていたことや,トップレベルの学校の合格ラインが9割を超えるような状況となり,
「難しいことを自分なりに解きほぐして解決する能力」よりも
「どの教科も万遍無く仕上げて苦手を作らず,ミスを少なくする能力」
を磨くほうがより合格に近づくだろうという分析,といったものが挙げられます。
しかしながら,数学においてこの常識はすでに「過去の遺物」であり,これからの受験生について言えば,こうした「これまでの常識」に基づいて準備していた人ほど,当日の動揺は大きくなることが推測できます。 世の中からのメッセージが入試問題に籠められるのは当然のことなのです。 (つづく)
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