文芸広場
俳句・詩・小説・エッセイ等あなたの想いや作品をお寄せください。
強い母の背中をみて育った
その強さゆえ 何度となく衝突した
そしてその強さにいつも守られていた
私は強い母しか知らなかった
祭りの夜 人込みの渦の中
母の手が私の腕をつかんだ
強い母の手ではなかった
母はいつまでも強いと想っていた
ずっと・・その瞬間まで想っていた
時の流れをひしひしと感じた
その日から強くなろうと想った
守ってもらったように守ろうと想った
つかんだ手が離れないように・・・
いつも母が笑っていられるように・・・
母は今月誕生日を迎える
この詩は母に贈る秘密のプレゼントだ
恥ずかしがり屋の母は「まだまだ強い」と真顔で言うだろう
だからあえて10年後の誕生日に贈ることにしよう
おめでとうの言葉を添えて・・・
(作 雪んこ)