トップページ ≫ 地域情報 ≫ 咲いたまびと ≫ 勝海舟遠縁 伝統職人が作る浦和の財産~文壽堂 原田表具店~
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さいたま市岸町7丁目、旧中山道沿いに140年以上の歴史を刻む「文壽堂 原田表具店」がある。現在の主は原田一彦氏で8代目となる。創業は慶応3年(1867年)。店内には勝海舟直筆の書で屋号「文壽堂」が掲げられている。5代目原田豊吉氏の妻が勝海舟の姪であったことから名付けられたという。かつて表具作業は武士の内職的作業でもあったというが、表具店として本業を営んで原田一彦氏で4代になるとの事だ。
表具職人の扱う仕事は掛け軸、屏風、襖、障子など繊細な技術が要求される。特に絵画や書などの二つとない作品を手掛ける場合には、作品の持ち味を引き出す装飾や作品自体を傷つけないように扱うという細心の注意を払う。寺院などで襖や屏風に書や絵などが貼りつけられているのを見たことがあるはずだ。時代と共にそういった制作物や補修などの需要が少なくなってきているという。また最近は障子紙に化学繊維が使われるなど和紙の需要も減ってきているともいう。
四季のある日本では乾燥や湿気対策が住居環境に必要であり、日本の家屋には工夫がされてきた。呼吸する家屋というのであろうか。障子、襖など和紙や木材の利用が生活に密着していた。コンクリートやサッシなど密閉された空間で最近では結露などの問題も出ている。障子を通した差し込む光の和やかさ、室内にある和の優しさを味わってもらえればと願う。
小刀で和紙を切り、かんなで削るといった昔ながらの手作業にこだわる。浦和区の最勝寺の襖の張り替えも原田氏の手によるものだ。街の文化を守り、伝統を引き継いでいく職人が浦和のまちの財産である。
文壽堂 原田表具店
さいたま市浦和区岸町7-1-11 048-822-6095
(多田 清成)
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