コラム
読み応え満載 クオリティ埼玉の充実のコラム
男の珈琲タイム
男のホットひと息コラム
新着記事
- ブラックコーヒー(2015年04月10日)
-
そういえば最近、コーヒーにシュガーをいれなくなった。 たいした理由があったからではない。純のまま飲む方が粋だと感じただけだ。 しかし、少しひっかかることがある。茶房の片隅にホッと一息ついて寄りかかると、ウエイターが「ミルクは?シュガーは?」と訪ねてくる。本能的に私は「ブラック」と答える。そして妙にこの〝ブラック〟という答えが気にかかって仕方ないのだ。 …
- 秋田の桜と選挙(2015年02月20日)
-
選挙にはほとんど美談というものは聞こえてこない。醜聞や、誹謗、そして中傷のウズだ。そんななか珍しく美談を聞いた。秋田出身の市議選立候補者がチラシをつくり、ポスティングを展開。 すると数日たって電話がきた。その主は秋田から上京してきて、埼玉で財をなした実業家だった。 「あなたの御両親にずっと昔の若い頃、苦学し、明日の飯もままならぬ時、家にとめていただいて温…
- 永田町の幻(2015年01月29日)
-
それこそ7年ぶりになるだろうか。 私は国会に出向いた。国会といっても、ある国会の議員会館だ。数年前に建て替えたばかりの会館はおもわず目を見張るほどの偉容を誇っていて、私を圧迫した。国権の最高機関たる国会。そこで国家のために奔走する議員の事務所となれば、ある緊張感は正常なものだと、自分に言い聞かせたりもした。 一方では”田舎者になったな”という卑下もあった…
- 離見の見(2015年01月09日)
-
何とも難しいはなしだが、有頂天になると人は必ず沈むのだと思う。難しいとあえて言ったのはプロの世界の住人は常人とはちがうのだから「俺は!」という根性も必要ではないかなと思ったからなのだが。 つまり、テニスの錦織が「ぼくはもう誰にも負けない!」と断言したり、すっかり影をひそめてしまった野球の斉藤佑樹が、かつて「ぼくは何かもっている」と豪語したことが気になって仕…
- 男のかっこよさ(2014年12月02日)
-
サッポロビールの名キャッチは何といっても「男は黙ってサッポロビール」だと思ってきた。そしていつも私はこのキャッチに高倉健を重ねてきた。人は黙っていればカッコいいのではない。じっとこらえて沈黙で表現するからカッコいいのだ。 薄暗い海底のような地下のバーでいつもスコッチのウヰスキーをかたむけて独り物思いにふけっている老紳士に数回会った。会ったというよりも少…
- ひと目逢いたい(2014年11月05日)
-
秋色が深まると、やはり人はセンチメンタルな気分に浸るものだ。何故か私は子供時代の恋愛、といっても私の恋物語ではない。私よりはるかに年のいった大人たちの恋物語を思い出しては、あたかも自分自身の恋のような錯覚に陥っている。 「ひと目」ということがずっと昔から、私の恋心と二人三脚をしては離れることがないのだ。「ひと目逢いたい」はほとばしる恋の感情だ。「愛染か…
- 老いと暑中見舞い(2014年08月06日)
-
今年も沢山の暑中見舞いの文を戴いた。流石、高齢社会とあって自分の年と暑さとの闘いを嘆いたり、自ら奮い立たせている姿をほうふつとさせる文章が多かった。 中でも三人の方の文章が目を引いた。「私もついに100歳になりました。記憶力は衰えましたが、まだまだ元気です」と、中山里子さん(仮名)には心を打たれた。往年の中山さんは、誰からも美貌の人と羨ましがら…
- チアガール(2014年07月30日)
-
彼女がチアガールだったと知ったのはつい最近だ。私にとってこの事実は驚きだった。何故なら、日常普段の彼女は謙虚で控えめ、言葉少ない大和撫子そのものだからだ。 しかし、彼女が感動する能力を人の数倍持っていうことはわかっていた。感動し、喜びの表現が実に素敵だからだ。そして短いフレーズで会話をし、相手の長所、短所を素早く見抜く能力も抜群。チアーとは勿論応援する…
- 象の泣と号泣議員(2014年07月18日)
-
号泣議員という人が世界の電波にのった。泣くということが、こんなにも恥さらしになるとしたら、我々はもう一度、涙や泣くという所業を考えてみなければいけないと思ってテレビを観ていたら象の涙というタイトルで画像に象が現われた。象は本当に泣くのだという。象使いの息子さんが亡くなった時も象は大粒の涙をこぼして悲しみの心を表現したという。そしてもっと驚かされたのは、象の…
- 私の中の蟹江敬三(2014年05月27日)
-
蟹江敬三を偲ぶ会が盛大に行われた。私はテレビに映し出された蟹江敬三の遺影を観ていて、改めて彼が懐かしくなった。 あの日本人離れした深い掘りの形相。どこかではにかんでいて、照れを隠している。人間が好きで好きでたまらないくせに、わざと嫌いなようなポーズをとりながら、人なつこくて、やさしさが泣いているような独特の風貌に何十年と私は取りつかれてきたのだ。時代劇…