文芸広場
俳句・詩・小説・エッセイ等あなたの想いや作品をお寄せください。
お盆が過ぎて、九月の足音が聞こえる。
暑い夏も終わる。
夏の夜空を彩る花火。漆黒の闇とのコントラストがあってこその美しさである。花火、まつり、夏、すべてのエピローグの物哀しさは同じ匂いを持つ。
今年は選挙あり、熱暑あり、自然災害ありのニュースにことかかない夏だった。
私は九月にはいったばかりの湘南・鎌倉の海が好きだ。
夏の名残りの太陽にきらめく海原。
サザンを聞くもよし。ユーミンも。山下達郎も竹内まりやも。
昨年の初秋に夫ともに稲村ケ崎のイタリアンレストランを訪れた。
鎌倉周辺は文化人が好んで住まい、食通粋人が多く、おいしいものを提供するお店が多い。
アラカルトをお願いして、軽い白ワインからはじめて赤ワインのフルボトル、二本飲んでしまった。
サービスする男性から「お住まいは鎌倉ですか?」と聞かれた。
「いえいえ埼玉からですよ」といいながら夫とほくそえんだ。
鎌倉の住人に見られたことがうれしかったのだ。
たまに非日常を求めて、人気ホテルに足をのばす。
六月には「華麗なる一族」の舞台になった賢島志摩クラシックホテルの隣ベイスイートに三夫婦ででかけた。ダイニングで景気よくシャンパーニュやフランスワインを抜いた。
翌日総支配人から朝食時にひそかなブームの朝シャンパーニュをすすめられた。年長夫妻から「やはり見られてるのよね。ホテルでは靴とお酒の飲み方をホテルマンが見てるのよ」と教えていただいた。
人生は一度きり。その場に応じた「人間」になれることも財産かも。
夏の終わりの幕開けである八月末日に映画「夏の終わり」が封切りだ。作家瀬戸内寂聴先生の自伝的小説・ロングセラーの映像化。
瞳がきらきら美しい満島ひかりちゃんが瀬戸内先生の若かりし頃を女性の情念をどう演じるかが楽しみだ。そして、松茸、さんま、新米と私の楽しみも始まる夏の終わりだ。
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