トップページ ≫ 社会 ≫ もう1つの参議院選挙~全国比例って?
社会
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参議院選挙もいよいよ終盤戦に突入した。 各地で熱い戦いが繰り広げられているが、注目されるのはもっぱら都道府県選挙区の候補者で、全国比例区候補への関心は低い。低い、というより、有権者にとって分かりにくいと言った方が適切かもしれない。
参議院全国比例区は、1980年まで行われていた参議院全国区がルーツである。全国区制だと選挙費用がかかり、知名度の高いタレント候補や組織力のある候補者に有利となるため、1983年から比例代表制となった。当初は拘束名簿式のため、政党名での投票しかできなかったが、現在は非拘束名簿式となり、個人名で投票ができるようになった。ただ、個人名での投票ができることで、事実上全国区制が復活した形となったが、個人名の得票数が高くても当選できるとは限らない。個人名の得票数により、先ず各政党内の名簿順位が決まる。さらにその個人名の得票数が各政党の得票となり、政党名投票と合算されて、配分が決まる仕組みなのである。
都道府県選挙区とは異なり、全国で選挙活動ができるが、一般有権者には非常に分かりづらいのだ。都道府県選挙区は公営掲示板に候補者のポスターが一斉に掲示してあるから分かりやすいが、全国比例区の場合、各政党の都道府県支部や個人宅など、限られた場所にしかポスターは掲示されていない。投票所でも各政党別に小さな字で候補者名が書かれているに過ぎず、候補者が誰なのか、さっぱり分からないといった声も聞こえてくるのだ。
候補者の周知もそうだが、そもそもこの制度自体、まだまだ改善する必要があると思うが・・・。
(小金井 夢男)