トップページ ≫ 外交評論家 加瀬英明 論集 ≫ 新聞の大きい活字は焦燥感のあらわれ
外交評論家 加瀬英明 論集
日本の新聞の見出しの活字が大きいのも、街に騒音が溢れているのも同じなのだろう。外国を旅行して帰りに日本航空に乗って、スチュアーデスから日本の新聞をもらってひろげると、見出しが大きいので、ああ日本へ帰るのだなという実感が湧くものだ。日本では高級紙と言われる新聞でも、見出しの活字が大きい。外国でいえば、センセーショナルな大衆紙のものだ。ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、ロンドン・タイムズ、ル・モンドといった、海外の高級紙と言われる新聞の見出しは、日本の新聞と較べたら、小さい、おとなしいものである。
日本人はつねに焦燥感に駆られていないとならないようである。日本ではニュースは落着いて眺めて、冷静に分析するものであるよりも、感情的に捲き込まれて、昂奮するべきものであるようだ。私はしばしば国際情勢について講演するように依頼を受けるが、演題に、「激動する―」とうたわれていることが多い。そういえば、雑誌の目次をみても、「緊急特別寄稿」とか、「直撃」、「激写」といった、焦ら立しいものが多い。
個性の時代 ミーイズムのすすめ 三章 「喧騒」からの脱却
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